▼初期代表著作の『神秘哲学』を収録。その他、初期の思想形成期に特徴的な「詩と哲学」への考察を正面から論じたエッセイなど、井筒の神秘主義の理解を深めるのに必読の著作群を収録。
▼解題では、各著作の基本的な書誌情報に加えて、『神秘哲学』初版と人文書院版、著作集版の間の重要な校異を収録。
▼月報では、安藤礼二、高橋巖、納富信留といった豪華な執筆陣が多角的に『神秘哲学』を論じる。
▼充実した索引付き。
読売新聞 2013年11月9日の読売新聞「五郎ワールド」で、橋本五郎氏より「情熱の形而上学者」というタイトルで『井筒俊彦全集』についてご紹介いただきました。
凡 例
一九四九年 詩と宗教的実存―― クロオデル論 神秘哲学 第一部 自然神秘主義とギリシア 覚 書 / 第一章 自然神秘主義の主体 / 第二章 自然神秘主義的体験―― 絶対否 定的肯定 / 第三章 オリュンポスの春翳 / 第四章 知性の黎明 / 第五章 虚妄 の神 / 第六章 新しい世紀―― 個人的我の自覚 / 第七章 生の悲愁―― 抒情詩的 世界観 / 第八章 ディオニュソスの狂乱 / 第九章 ピンダロスの世界―― 国民伝統 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。 1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
【解題・索引】 木下 雄介(きのした ゆうすけ) 中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。 1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。 主要業績:「不可解なペニュルチエーム――マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I 、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
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