日本から世界へ、井筒俊彦の第二期が始まる。
▼著作集、単行本未収録の『研究社世界文学辞典』への執筆項目「アラビア文学」「トルコ文学」「ペルシア文学」から始まり、レバノンやカナダ、ボストンから日本へ宛てた便りなどユニークな著作、そして代表著作『イスラーム思想史』を収録。
▼各著作の基本的な書誌情報に加えて、『イスラーム思想史』の各版の重要な校異を記載。
▼瀬戸内寂聴氏、小杉泰氏といった豪華な月報執筆陣に加え、本巻から井筒俊彦の数多くの著作を担当した元岩波書店編集者合庭惇氏の連載を開始、井筒との日々、その横顔を語る。
凡例
一九五四年 『研究社世界文学辞典』執筆項目(アラビア文学・トルコ文学・ペルシア文学)
一九五七年 『愛のロゴスとパトス』訳者序 マホメットとコーラン 『コーラン』はしがき 『コーラン』解説
一九五八年 記号活動としての言語 コーランと千夜一夜物語
一九五九年 レバノンから ベイルートにて
一九六〇年 カナダ・モントリオールにて
一九六一年 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。 1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
【解題・索引】 木下 雄介(きのした ゆうすけ) 中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。 1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。 主要業績:「不可解なペニュルチエーム――マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
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