▼井筒俊彦全集第十巻。一九八七年 ― 一九九三年に書かれた著作を、発表年月日順に収録。
▼生前単行本に収められなかった、アンケート「ギリシア悲劇と私」への回答、「二十世紀日本の読書遍歴」収録。
▼解題では、各著作の基本的な書誌情報に加えて、重要な校異を記す。
▼多岐にわたる内容をカバーする詳細な索引付き。
▼月報は、鏡リュウジ、鎌田繁、駒野欽一各氏による。井筒像を多角的に語る。
▼時代に則した写真を掲載。
▼底本には、著者生前の最終版を使用。
一九八七年 編纂の立場から
一九八八年 中世ユダヤ哲学史における啓示と理性 言語現象としての「啓示」 アヴィセンナ・ガザーリー・アヴェロエス「崩落」論争 ―― 『哲学の崩落』(Destructio philosophorum)と 『崩落の崩落』(Destructio destructionis)をめぐって テクスト「読み」の時代 思想と芸術〔安岡章太郎との対談〕
一九八九年 東洋思想 TAT ……
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【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。 1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
【解題・索引】 木下 雄介(きのした ゆうすけ) 中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。 1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。 主要業績:「不可解なペニュルチエーム――マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
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