井筒俊彦の最高傑作、いよいよ登場!
▼海外での20年に亙る活動をへて、「東洋思想」の新たな世界を切り拓こうとした主著「意識と本質」を収録。 また、解題では収録作品の基本的な書誌情報に加え、『意識と本質』各版の重要な校異を記す。
▼著作集、単行本未収録の「転変を重ねて」では井筒の意外な一面が語られる。
▼月報は三浦雅士、中根千枝、合庭惇各氏が寄稿、井筒像を多角的に語る。
凡 例
一九八〇年 意識と本質――東洋哲学の共時的構造化のために 神秘主義の根本構造 〔上田閑照・大沼忠弘との鼎談〕 イスラームの二つの顔 ―― 時局的関心の次元を超えイスラームという 宗教・文化の精神を把握するための方途を説く 転変を重ねて 第一級の国際人 『イスラーム神秘主義におけるペルソナの理念』序詞
一九八一年 『みすず』読書アンケート(一九八〇年)への回答 イスラーム文明の現代的意義〔伊東俊太郎との対談〕
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著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。 1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
【解題・索引】 木下 雄介(きのした ゆうすけ) 中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。 1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。 主要業績:「不可解なペニュルチエーム――マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
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