イスラームという宗教、文化を知るための、最適の書。
▼1981年〜1983年の思索が成熟しつつある時期に書かれた著作群を、発表年月日順に収録。
▼著作集・単行本未収録の「イラン・イスラムの黙示録」は、イランでの生活やホメイニ革命について語る貴重な逸品。旧友や師をセンチメンタルに語るエッセイも収録。
▼月報執筆は、井筒と知己であるヘルマン・ランドルト氏、湯川豊、河合俊雄各氏。
凡 例
一九八一年 イスラーム文化 ―― その根柢にあるもの はじめに / T 宗教 / U 法と倫理 / V 内面への道 / 後 記
一九八二年 『みすず』読書アンケート(一九八一年)への回答 イラン・イスラムの黙示録 追 憶―― 西脇順三郎に学ぶ
一九八三年 デリダ現象 幻影の人―― 池田彌三郎を憶う 行脚漂泊の師 ムーサー 「読む」と「書く」 コーランを読む 第一講 『コーラン』を「読む」方法 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。 1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
【解題・索引】 木下 雄介(きのした ゆうすけ) 中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。 1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。 主要業績:「不可解なペニュルチエーム――マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
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