東洋哲学と現代思想を懸け橋する一冊。
▼1983年〜1985年の思索の成熟期に書かれた著作群を、発表年月日順に掲載。
▼単行本・著作集未収録の「『中央公論』と私」を収録。
▼「デリダ論」等の現代思想を展開し、そこから東洋哲学を読み解こうとする野心的な内容。
▼月報執筆は、玄侑宗久(小説家)、島薗進(宗教学者)、野村喜和夫(詩人)各氏。
凡 例
一九八三年 ユング心理学と東洋思想〔J・ヒルマン、河合隼雄との鼎談〕 西脇先生と言語学と私 デリダのなかの「ユダヤ人」
一九八四年 『みすず』読書アンケート(一九八三年)への回答 語学開眼 シーア派イスラーム ―― シーア的殉教者意識の由来とその演劇性 文化と言語アラヤ識 ―― 異文化間対話の可能性をめぐって 「書く」 ―― デリダのエクリチュール論に因んで 単数・複数意識 スーフィズムと言語哲学 スーフィズムとミステ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。 1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
【解題・索引】 木下 雄介(きのした ゆうすけ) 中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。 1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。 主要業績:「不可解なペニュルチエーム――マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
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