空海『三教指帰』
桓武天皇への必死の諫言(かんげん)
|
▼空海が命を賭した書――。
官僚を目指していた空海が大学を辞め、二十四歳で著した『三教指帰』は、 儒教、道教、仏教を戯曲形式で比較し、仏教が最上であることを親族に説得する 「出家宣言の書」とこれまで理解されてきた。
本書は、激動の時代背景や神話・伝承、『日本書紀』などの歴史書と照らし合わせ、 『三教指帰』執筆の隠された意図に迫る。
稀代の専制君主・桓武天皇に対する憤りと 古来、天皇に仕えてきた祖先への誇り―。
両者に引き裂かれた若き空海が、命を賭して伝えようとしたのは何か?
『月刊住職』 2022年7月号(p.188)「仏書 厳選18冊・Book Review」で、本書が紹介されました。
『週刊文春』 2022年6月23日号「文春図書館推薦」で、本書が紹介されました。
『芸術新潮』 2022年6月号(p.115)「RECOMMEND・編集部のおすすめ!」で、本書が紹介されました。
プロローグ──憤懣の書── 第1章 空海の決意──天皇への忠と祖先への孝 1 空海とは誰か──これまでのイメージ 2 来歴──誰に向けて書かれたか 3 時代背景 4 空海の時代の儒・道・仏
第2章 『聾瞽指帰 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
藤井 淳(ふじい じゅん) 駒澤大学仏教学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。主著に『空海の思想的展開の研究』(トランスビュー、2008年)、編著に『最澄・空海将来『三教不斉論』の研究』(国書刊行会、2016年)、『古典解釈の東アジア的展開――宗教文献を中心として』(京都大学人文科学研究所、2017年)がある。プリンストン大学宗教研究所客員研究員、フンボルト・フェロー(ハイデルベルク大学)。
|