▼著者が長年の思索をとおして逢着した、空海の真言思想の真髄を描き出す。
本書では、青年期から晩年にいたるまで、時代背景にそくして空海の足跡を丁寧にたどりながら、『聾瞽指帰』『請来目録』「勧縁疏」『般若心経秘鍵』などの代表著作を読み解き、その思想の核心たるマンダラ思想の萌芽と体系化の流れを、迫力ある筆致で描き出す。
読売新聞 2016年4月17日の読書面(12面)に書評が掲載されました。評者は納富信留氏(ギリシャ哲学研究者・東京大学教授)です。
中外日報 2016年4月8日の「中外図書室」(16面)に書評が掲載されました。
まえがき
序 章 仏教志向と秘門との出会い ―― 『聾瞽指帰』の撰述 一 槐市の春秋 ―― 頗る藻麗を学ぶ 二 槐市から山林へ ―― 山藪を宅とし禅黙を心とす 三 秘門との出会い ―― 岐に臨んで幾度か泣く
起の章 入唐留学と秘門の受法 ―― 『請来目録』の読み解き 一 唐都長安への路 ―― 尋ぬるに一乗を以てす 二 梵語の学習と密蔵の受法 ―― 膝歩接足して彼の甘露を仰ぐ 三 真言思想形成の起点 ―― 真言は幽邃にして字字、義深 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
高木、元(たかぎ しんげん) 1930年島根県に生まれる。1956年高野山大学卒業、1958年東北大学大学院修了。インド学仏教史学専攻。元高野山大学学長、高野山大学名誉教授、文学博士。 著書 『弘法大師の書簡』『古典ヨーガ体系の研究』『マータラ評註の原典解明』『初期仏教思想の研究』『空海思想の書誌的研究』『空海と最澄の手紙』(いずれも法蔵館)、『空海 ―― 生涯とその周辺』(吉川弘文館)、Kūkai on the Philosophy of Language, Translated and Annotated with Thomas Eijō Dreitlein, Keio University Press など多数。
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