『井筒俊彦全集』(全12巻、別巻)完結
▼これまで単行本には収録されることのなかった幻の著作をふくむ18篇を補遺として収録。 ▼本全集初公開となる新発見原稿、井筒俊彦訳イブン・アラビーの『叡智の台座』(第一章)」、「東洋哲学の行方を考える」収録。 ▼若松英輔氏による年譜ほか、著作目録、総索引など、充実した資料を収録。 ▼月報は、ナダール・アルダラン(イラン人建築家)、黒田壽郎(イスラーム学)、互盛央(言語論・思想論)各氏。 ▼附録として、高野山大学での1984年の講演音源「言語哲学としての真言」を収録。
凡 例 未発表原稿 イブン・アラビー『叡智の台座』(第一章)井筒俊彦訳 東洋哲学の行方を考える
補 遺
一九四〇年 マイモニデスの予言論 ―― ユダヤ哲学の一断面
一九五六年 コーラン〔『世界大百科事典』第十一巻〕
一九五七年 『解説世界文学史年表』執筆項目
一九五八年 異質的な〝東洋〟―― コーランの口語完 ……
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【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。 1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
【解題・索引】 木下 雄介(きのした ゆうすけ) 中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。 1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。 主要業績:「不可解なペニュルチエーム ―― マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
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