井筒俊彦、必読のコーラン論。
▼井筒の代表的英文著作The Structure of the Ethical Terms in the Koran (1959)をもとに、日本向けに改訂された1992年の著作を収録。
▼解題では本著の基本的な書誌情報に加えて、重要な校異を記す。
▼多岐にわたる内容をカバーする詳細な索引付き。
▼月報執筆は、フセイン・ナスル(イスラーム科学史家)、宇野重規(政治学者)、島多代(絵本・児童書研究家)各氏による。井筒像を多角的に語る。
▼時代に則した写真を掲載。
▼底本には、著者生前の最終版を使用。
凡 例
一九九二年 意味の構造 ―― コーランにおける宗教道徳概念の分析 序章 言語と文化 / 第一章 道徳用語の第一次レベルと第二次レベル / 第二章 意味論的分析の方法 / 第三章 アラブ的現実主義 / 第四章 部族絶対主義 / 第五章 古いアラブの美徳のイスラーム化 / 第六章 道徳上の基本的二分化 / 第七章 「不信仰」(kufr)の概念の内部構造 / 第八章 kufrの意味の場 / 第九章 宗教的偽善 / 第十章 信仰者 / 第 ……
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【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。 1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
【解題・索引】 木下 雄介(きのした ゆうすけ) 中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。 1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。 主要業績:「不可解なペニュルチエーム ―― マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
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