世界から日本へ、井筒哲学第三期が始まる
▼イランから帰国し、長年に亘る海外での思索が日本語著作として結実する著作群(1978年−1980年)を、発表年月日順に収録。
▼今道友信らとの対談や、イスラーム哲学、禅仏教を論じる著作から、師や朋友を語るエッセイまで、日本語で自らの思想を紡ぎだそうとした第三期初動の巻。
▼池澤夏樹、山内志朗、合庭惇各氏の豪華な執筆陣による月報付き。
凡 例
一九七八年 『イスラーム古典叢書』監修者のことば 東西の哲学〔今道友信との対談〕 モッラー・サドラー『存在認識の道――存在と本質について』解説 『ルーミー語録』解説 『ロシア的人間』後記――新版発刊にさいして 『神秘哲学』新版前書き
一九七九年 対話と非対話――禅問答についての一考察 追 憶 イスラーム世界とは何か〔岩村忍との対談〕 『イスラーム生誕』はしがき イスラームとは何か 一 イスラームとジャーヒリーヤ / 二 ……
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【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年東京・四ツ谷生まれ。1937年慶應義塾大学英語英文学科卒業、同大学文学部助手。1941年『アラビア思想史』、49年『神秘哲学』。1959年から2年間にわたって中近東・欧米でイスラーム研究に従事。1961年マギル大学客員教授、69年同大学イスラーム学研究所テヘラン支部教授、75年イラン王立研究所教授。 1979年イラン革命激化のためテヘランから日本に帰国。『意識と本質』(1980-82年)、『意味の深みへ』(1985年)、『コスモスとアンチコスモス』(1989年)、『超越のことば』(1991年)、絶筆『意識の形而上学』(1993年)など代表著作を発表。1993年北鎌倉の自宅にて逝去(78歳)。
【解題・索引】 木下 雄介(きのした ゆうすけ) 中央大学、学習院大学、駒澤大学非常勤講師(フランス語)。 1957年東京都生まれ。1980年一橋大学社会学部卒業。1986年東京都立大学大学院博士課程満期退学。フランス文学・イスラーム哲学専攻。 主要業績:「不可解なペニュルチエーム――マラルメの散文詩『類推の魔』について」(『東京都立大学人文学報』1984年)、「イブン・シーナーの魂論」(『イスラーム哲学とキリスト教中世』I、岩波書店、2011年)、イブン・シーナー『魂について』(翻訳、知泉書館、2012年)等。
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