慶應義塾機関誌

 三田評論
  明治31年3月創刊(毎月1回1日発行)
   発行:慶應義塾 編集人:慶應義塾広報室長 編集・制作:慶應義塾大学出版会

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第21──三田評論 2017年12月号

   
 

世紀送迎会

 
慶應義塾史跡めぐり
 
   
   
 

世紀送迎会は、慶應義塾の関係者が世紀末最後の日に三田山上に集い、新世紀の到来を祝う会とされる。


第一回は一九〇〇年十二月三十一日午後八時から、約五百人の学生・教職員が集まり、十九世紀文明の反省と新世紀への決意を込めたパフォーマンスが繰り広げられた。福澤先生が「独立自尊迎新世紀」の書を揮毫されたのは有名である。


第二回は百年後の二〇〇〇年十二月三十一日午後三時から、「二十一世紀へのガイダンス」をテーマに、世界に先駆けて新世紀を迎えようと三田山上のすべての時計を実際の時刻よりも六時間進めた「慶應時間」を創出して始まった。鳥居泰彦塾長は「義塾社中あい集まって、私たち自身が歩んできた二十世紀を振り返り、新しい世紀への期待を語り合う場」と述べた。


二〇〇〇年に入り、世紀送迎会の話題があがるようになっていた。鳥居塾長の意向を受け、湯川武常任理事と実行委員会の学生責任者となる天野恵君(総合政策学部三年)のグループ、職員二名が顔をあわせたのは同年七月であった。天野君は前年、SFC秋祭におけるアート展の企画運営により塾長賞を受賞しており、発想力・企画力の中心となった。これに三田祭実行委員長の鈴木隆一君(法学部四年)らが加わり、企画運営の実行能力が一気に高まった。関連部署の若手職員六名も加わり、これをサポートした。


そして迎えた大晦日、実行委員会では約三千人を予測していたが、それをはるかに上回る約一万人が三田山上にあふれ、準備したパンフレットや六時間時刻を進めて準備した記念の腕時計はあっという間になくなった。


中庭のステージでは塾生らによる「二十一世紀への宣言」、東館G-SEC Lab では最新の装置をフル活用した体験企画「Time Browser ─時感─」が行われた。「二十世紀の名授業」では名誉教授が再び教鞭をとり、現役教員は新世紀へのメッセージを携えて教壇に上がった。幼稚舎から高校までの塾生も二十一世紀へのメッセージを込めたさまざまな展示作品により参加した。慶應時間午前零時には、自発的に世紀を乗り越えるという意味で「カウントアップ」を行い、世界で最も早く新世紀を迎えた。


天野君は「子供の頃、二十一世紀は夢と希望にあふれた未来の象徴であった。 本当に二十一世紀が近づくと人びとは夢の話をしなくなった。しかし、新世紀はここにいる私たちが作るものです。二十一世紀を振り返るとき、この会の参加者から歴史を動かした人物が多く輩出すること、義塾の更なる発展を願う」と述べている。


三回目の世紀送迎会を担う人たちが生まれてくるのはまだ先である。我々は彼らの目にどのように映るのであろうか。

(管財部課長 尾崎友博)

 

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