慶應義塾機関誌

 三田評論
  明治31年3月創刊(毎月1回1日発行)
   発行:慶應義塾 編集人:慶應義塾広報室長 編集・制作:慶應義塾大学出版会

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2017年8・9月合併号表紙


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第18──三田評論 2017年8・9月合併号

   
 

三田キャンパスの樹勢調査と屋外整備

 
慶應義塾史跡めぐり
 
   
   
 

三田キャンパス構内には多くの樹木がある。南校舎の建て替えをするにあたり、旧校舎周辺の記念樹類の大規模な移植を二〇〇九年春に行ったが、管財部ではその二年前から構内樹木の状況を詳細に調査し、保守管理の総合計画を立てて、構内の整備を並行して行った。知られざるこのプロジェクトについてご紹介する。


二〇〇七年当時、三田構内には幹周り五〇センチ以上の樹木が一六〇本あまり、うち港区の指定保護樹木が約三〇本あった。例年は造園業者が葉や枝、樹皮、樹勢などを目視による外観からの「活力診断」を行いながら少しずつ手入れをしていたが、これを拡大し、通行の多い場所や保護樹木の計八五本の調査を行った。そして課題が見られる四〇本については第二ステップとして、幹や根株の状態を細かく外観診断する「倒伏危険度診断」を実施。さらにこのうちの一三本については、第三ステップとして機械(穿孔調査機器・音響波測定器)による精密診断を行った。そしてこれらの調査結果をまとめ、樹木の状態を五段階に分類し、維持保守計画を策定した。


樹勢に課題の多い樹木はキャンパス東側の福澤公園及び隣地との境界にあるサクラ類であった。ソメイヨシノは限られた原木のいわゆるクローンで、特定の病気に掛かりやすく環境変化に弱い理由ともなっている。また寿命は七〇年前後と言われており、戦後に植えられたものが、ちょうどその年数に近づいていた。


また南校舎建て替えのプロジェクトでは、学生たちの過ごす場所の確保が重要なテーマとして指摘されていた。そこで新南校舎内には学生が過ごせるラウンジやグループ学習室、学生食堂などのスペースを多く盛り込んだ設計をしたが、構内の他の場所にもスペースを確保することになった。生協食堂の営業終了後の開放や、中庭へのテーブル・ベンチの増設を行ったが、未活用であった屋外区域にも学生の憩いの場を作ることにした。これには福澤育林友の会からアドバイスをいただき、落葉広葉樹を多く残し、その下にテーブルやベンチを置くことで、夏は枝葉が天然の屋根として直射日光を遮り、冬は葉が落ちて暖かな陽光が降り注ぐ快適な屋外空間を自然が作り出すというプランである。


この施策に基づいて最初に整備したのは研究室棟西側のイチョウの周辺で、透水性のタイルで舗装、ベンチを整備し、飲料自販機を置いた。次は福澤旧邸跡地のエリアで、倒木の危険性の高いサクラや雑木を伐採して明るさを確保し、むき出しの地面には透水性タイルを貼った。


暗くてジメジメして学生が滅多に近寄らなかった福澤公園は、これによって快適な憩いのスペースに生まれ変わったのである。


(編集部)

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バックナンバー
 

 

第18回
三田キャンパスの樹勢調査と屋外整備


2017年8月号掲載

 

第17回
オープンキャンパス


2017年7月号掲載

 

第16回
立科山荘


2017年6月号掲載

 

第15回
慶應稲荷社


2017年5月号掲載

 

第14回
グローバルラウンジ


2017年4月号掲載

 

第13回
早慶戦百周年記念碑


2017年3月号掲載

 

第12回
三田の福澤像


2017年2月号掲載

 

第11回
三田キャンパスの時計


2017年1月号掲載

 

第10回
創想館


2016年11月号掲載

 

第9回
日吉陸上競技場


2016年10月号掲載

 

第8回
塾生皆泳


2016年8・9月合併号掲載

 

 

第7回
慶應義塾外国語学校


2016年7月号掲載

 

 

第6回
慶應の水


2016年6月号掲載

 

 

第5回
『三田評論』


2016年5月号掲載

 

 

第4回
命名SFC


2016年4月号掲載

 

 

第3回
グーテンベルク聖書


2016年3月号掲載

 

 

第2回
北館


2016年2月号掲載

 

 

第1回
南校舎と植栽


2016年1月号掲載

 

 
   
   
 
 
 
     
 
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