▼西洋における“数”の伝統を解き明かす―。
ダンテ(1265-1321)の『神曲』は、誰もが知る中世文学の金字塔だが、世界の文学の中でも例を見ない緻密な数的構成によって創られている。本書は、その数的構成の中から最も興味深い事例を紹介。ダンテがどのように14233行にも及ぶ『神曲』という大伽藍を建造したかを解説する。
はじめに
第1章:一ドル札に隠された数の象徴
第2章:古代・中世における数の思想 1. 自然界のあらゆるものの背後に数がある 2. キリスト教における数の意味―数が神へと導く― 3. 神の御心を解く鍵としての数 4. 自然界に潜む《数》と創作活動 5. 数とは《性質》や《出来事》を表わす表徴数である
第3章:聖書における数の読み解き方
第4章:『神曲』はなぜ数に従って構成されているのか 1. 構成の意味 2.近年目覚ましい発展を遂げた『神曲』の ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
藤谷 道夫(ふじたに みちお) 広島県庄原市出身。筑波大学大学院文芸・言語研究科にて西洋古典学専攻。1986年文学修士を取得後、1988年までイタリア政府給費留学生としてフィレンツェ大学に留学。1991年筑波大学博士課程修了。 専門はルクレティウス、ダンテ、『神曲』、ラテン文学、イタリア文学 。特に、ダンテ『神曲』の研究と翻訳、とりわけ西洋古典学、哲学、自然学、キリスト教神学の視点から多角的に行なっている。
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