小説・映画から野球文化を読み解く。
アメリカの「国民的遊戯」と称されるベースボールが文学作品や映像作品で表現される際に見られる特徴を分析し、そこに透けて見えるアメリカ文化の姿、人々の希望と欲望、そして“神話”としてのベースボールを考察する。
はじめに――野球例外主義
第1章 ベースボールの履歴書――裏通りから巨大ビジネスへ バット・アンド・ボール・ゲーム 遊戯の職業化 ニグロリーグ デッドボールからライヴボールへ 戦争と野球 拡張の時代 ――ナショナル・パスタイムからインターナショナル・パスタイムへ 遊戯の精神――メジャーだけがベースボールじゃない
第2章 ベースボールの文化表象 パストラルの詩学 郷愁と風刺 皮肉と感傷 神話と野球文学 マジック・リアリズム ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
吉田恭子(よしだ きょうこ) 慶應義塾大学文学部准教授。1969年生まれ。福岡県出身。1994年京都大学文学部卒業、1996年同人間環境研究科博士前期課程修了、2001年ウィスコンシン大学ミルウォーキー校英文学科創作専攻博士号取得。英語による創作のかたわら、戦後のアメリカ小説に創作科教育が与えた影響を中心に、現代英語小説の研究を行っている。短編集 Disorientalism (Vagabond Press, 2014)、共著に『悪夢への変貌――作家たちの見たアメリカ』(松籟社, 2010)、『現代作家ガイド6 カート・ヴォネガット』(彩流社, 2012)などがある。日本の実験的現代詩と戯曲の翻訳も続けており、野村喜和夫対訳詩集 Spectacle & Pigsty (Forrest Ganderと共訳。OmniDawn, 2011. ロチェスター大学最優秀翻訳書賞詩部門受賞)、松田正隆 PARK CITY (YCAM, 2010)などを英訳している。
|