現代日本を取り巻く過剰な資本主義。この貨幣記号増殖への異常な執着状態から脱するための手段として“瞑想”を提言し、“もう一つの文明”の可能性を模索する。また、“瞑想”自体についても、禅寺や僧院などの社会的に閉じられ特権化された空間から市井に解き放つ、つまり“汎”瞑想が本書の主題です。
はじめに
第1章 “もう一つの”文明へ
第2章 ヴィパッサナー瞑想
第3章 プラム・ヴィレッジ ―汎瞑想を実践するコミュニティ
第4章 快楽を瞑想する
第5章 汎瞑想とエコヴィレッジ ―“もう一つの”文明への闘い
おわりに
文献案内
あとがき、ならびに謝辞
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
熊倉 敬聡 (くまくら たかあき)
慶應義塾大学理工学部教授。1991年パリ第7大学博士課程修了。1980年代は、フランス文学、特に「ステファヌ・マラルメの〈経済学〉」を研究。90年代は、コンテンポラリー・アートやダンスに関する研究・評論、企画、実践等を行う。2000年代は、教育現場の変革の作業を展開し、新しい学びの場「三田の家」の立ち上げ・運営に関わる。現在は、21世紀的art of livingの研究・実践に従事。特定非営利活動法人ミラツク理事。主な著作に『黒板とワイン―もう一つの学び場「三田の家」』(共著、慶應義塾大学出版会、2010年)、『美学特殊C』(慶應義塾大学出版会、2003年)、『脱芸術/脱資本主義論』(慶應義塾大学出版会、2000年)、『セルフ・エデュケーション時代』(共著、フィルムアート社、2001年)、『女?日本?美?』(共著、慶應義塾大学出版会、1999年)。
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