慶應義塾機関誌

 三田評論
  明治31年3月創刊(毎月1回1日発行)
   発行:慶應義塾 編集人:慶應義塾広報室長 編集・制作:慶應義塾大学出版会

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第22──三田評論 2018年1月号

   
 

福澤諭吉記念文明塾

 
慶應義塾史跡めぐり
 
   
   
 

福澤諭吉記念文明塾(以下福澤文明塾)は創立一五〇年記念事業の一環として立ち上げられ、私塾の原点に還り未来貢献を志す先導者を育むことを目的に、年齢や背景が異なる学生や社会人を集めて「対話と議論」の場を提供してきました。


プログラム構想時に決めた重要なコンセプトは、受講生に教えない≠ニいうことです。半学半教の精神のもと、自ら学び、自ら何かを与えられる存在であることが求められます。そのため、受講生からプログラム運営費として三万五千円の実費をいただくだけで、いわゆる授業料は徴収しません。受講生は、その恩恵をプログラムへの貢献や修了後に社会貢献を実践することで還元することが求められます。


福澤文明塾の最大の魅力は、プログラムの内容もさることながら、この場に集う「人」にあります。ほぼ全ての学部の慶應義塾生、東大・早稲田など国公私立の他大学の学生、そして中央官庁職員、弁護士や会計士、商社マン、芸術家、主婦といった多様な人々が一堂に会し、互いの経験や考えを語り合い、刺激し合いながら濃密な三カ月のプログラムを過ごします。また、未来貢献を謳う福澤文明塾では、プログラム修了後も期を超えた活動が継続的に行われますので、その人脈は深く広いものとなっていきます。


福澤文明塾には、福澤の言葉を引用したキーコンセプトがあります。それが「高い志を持った個人(独立自尊の主体)」が、「五十人の仲間と切磋琢磨し(半学半教)」、やがては「千人の原動力となっていく(躬行実践)」の三つです。この中に、設立メンバーの思いも宿ります。設立以来のプログラム・コーディネーターである田村次朗法学部教授は、次のように語ります。「慶應義塾設立当時の福澤は、非常にフラットな関係を構築していたのではないでしょうか。フラットな関係というのは、現代の日本人がもっと勉強しなければいけないことであり、年功序列で物が言えないままでは、社会にとってマイナスとなります。そのため福澤文明塾では、会話には丁寧語を使うことや、さん&tけで呼び合うことで、あえて年齢が違う者同士が対等に対話できる場をつくり、双方の刺激からクリエイティブなものが生まれることを期待しています」。


二〇一七年度までは、春学期と秋学期の二回、それぞれ約三カ月の期間で行う教育プログラム(定員:約五〇名)を展開しています。二〇〇八年以降コア・プログラムを一八回、特別プログラム「環境教育プログラム」を三回実施し、現在までに一〇一二名の修了生を輩出しました。二〇一八年度秋学期に、開塾十周年記念プログラムとして、修了生のリカレント教育及び高校生のリーダーシップ教育を目的とする新プログラムを開講します。

 

(社会・地域連携室事務長 渡部隆志)

 

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