慶應義塾機関誌

 三田評論
  明治31年3月創刊(毎月1回1日発行)
   発行:慶應義塾 編集人:慶應義塾広報室長 編集・制作:慶應義塾大学出版会

慶應義塾の風景
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2018年6月号表紙


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第11──三田評論 2017年1月号

   
 

三田キャンパスの時計

 
慶應義塾史跡めぐり
 
   
   
 

 大学のキャンパスにおいて、時計はその風景の象徴ともいえる存在であるが、三田キャンパスには現在、外から見ることのできる時計が四つある。

 まず、キャンパス正門を入って左側、演説館の立つ「稲荷山」に目をやると、「独立自尊の時計塔」(商工学校開校七十年記念時計塔)がある。慶應義塾商工学校は、実業(商業および工業)に従事する者を育成する中等教育の学校として、明治三十八年、三田の現在南校舎がある場所に創設された。開校当初は修業年限四年、入学資格は満十四歳以上の高等小学校卒業者もしくは入学試験合格者とされた。

 通常の商業学校の科目に加え、理科、図画など工業科目が多く含まれ、商業・工業双方の知識を身につけた人材の育成を目指した点でユニークであった。

 太平洋戦争の影響により、昭和十九年度より慶應義塾商業学校とともに生徒募集の停止を余儀なくされ、慶應義塾工業学校へと転換。そして終戦後、新学制により商工学校は廃止されることとなり、計六一四一名の卒業生を輩出して昭和二十四年、その四十五年の歴史に幕を閉じた。

 昭和五十年十一月三十日、同校の開校七十年を記念し、同窓会からの寄贈によって地上約五mの特殊タイル張り鉄筋コンクリート造の時計塔が建てられた。谷口吉郎(塾員)の設計で、中央には福澤先生の筆跡で「獨立自尊」、下部には商工学校のペンマークとともに、同窓生総代菅保男氏の書による「慶應義塾商工学校の由来」の碑文が刻まれている。また時計塔の隣には平成十七年、開校百年を記念して「商工桜」が植樹された。

 三田キャンパス内のもう一つの時計塔は、第一校舎南側、大銀杏との間に位置するもので、現在、キャンパスを行き交う塾生や教職員の目に最も留まりやすい時計といえるだろう。これは平成四年の卒業記念品として寄贈されたもので、幅一二〇cm、高さ三mのカラーアルミ製。

 文字盤には蛍光灯を内蔵し、夜でも時刻を確認できるようになっている。

 また、キャンパス中庭に面して建つ大学院校舎の屋上にも、時計が設置されている。大学院校舎は塾創立一二五年記念事業の一環として、槇文彦君(塾員)の設計により昭和六十年二月に竣工。地上八階の建物の屋上にある時計は、キャンパスの中庭からはなかなか見えにくいが、図書館新館の上層階の窓からは、この一八〇cm四方の大時計をはっきり見ることができる。ちなみに、この時計の設置費用はすべて維持会費でまかなわれた。

 なお、三田キャンパスの代名詞とも言える図書館旧館の外壁上部にも、「TEMPUS FUGIT(時は過ぎゆく)」の文字が刻まれた時計があるのはご存知のことだろう。 (編集部)

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第5回
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