「生命」の「あらたま」を探し求めて 脳科学、発生生物学、分子生物学、生態学、書物史、哲学、日本政治思想史、アメリカ研究、マーケティング、経営情報システム研究の専門家が「新生」を語る。
「生命」の意味を限りなく広く捉えていく「生命の教養学」。 今回の各論は、神経科学とリハビリテーション、棘皮動物の発生、昆虫の変態と擬態、流域を軸とした生態学・環境保全、ルネサンスと古典文学、〈私〉の哲学、国学の死生観、アメリカ合衆国の運動律、マーケティングとインターネット、過疎地域の活性化。それぞれの専門家が、それぞれの「新生」――「生命」が「あらたまる」こと――をわかりやすく語る。
はじめに 「あらたま」を探し求めて 高桑 和巳
T 脳科学 神経シナプスの新生 牛場 潤一 海産無脊椎動物の変態に見る新生 倉石 立 昆虫の新生 変態と擬態 藤原 晴彦 都市における流域思考の自然再生 岸 由二
U ルネサンスと新生 ペトラルカとボッカッチョの書物愛と友情 宮下 志朗 新生 哲学の視点から 上枝 美典 政治思想史から見る新生 石川公彌子
V アメリカ大統領選に見る新生の儀礼 渡辺 靖 マーケティングにおける ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【編者】 高桑和巳(たかくわ かずみ) 慶應義塾大学理工学部准教授。1972年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。専門はイタリア・フランス現代思想。著書に『フーコーの後で』(共編著、慶應義塾大学出版会、2007年)、翻訳にミシェル・フーコー『安全・領土・人口』(筑摩書房、2007年)、ジョルジョ・アガンベン『思想の潜勢力』(月曜社、2009年)、同『王国と栄光』(青土社、2010年)、イヴ−アラン・ボワ&ロザリンド・E・クラウス『アンフォルム』(共訳、月曜社、2011年)などがある。
【著者】 牛場潤一(うしば じゅんいち) 慶應義塾大学理工学部准教授。1978年生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了。専門は脳科学、リハビリテーション工学。著書に『バイオサイバネティクス』(共著、コロナ社、2009年)、解説にマルク・メルジェ『ぼくはこの足でもう一度歩きたい』(新潮社、2002年)、対談に佐倉統編著『科学の横道』(中央公論新社、2011年)がある。
食石 立(くらいし りつ) 慶應義塾大学文学部准教授。1962年生まれ。東北大学大学院理学研究科修士課程修了。理学博士。専門は発生生物学。主要著作・論文に「動物の身体は、どのようにして個体にまとまるか? イトマキヒトデ胚の胞胚形成における頂端−基底極性の役割」、『三色旗』第664号(慶應義塾大学通信教育部、2003年)などがある。
藤原晴彦(ふじわら はるひこ) 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授。1957年生まれ。東京大学大学院理学研究科博士課程修了。専門は分子生物学。著書に『似せてだます擬態の不思議な世界』(化学同人、2007年)、『新版よくわかる生化学』(サイエンス社、2011年)、分担執筆に大西英爾ほか編『昆虫の生化学・分子生物学』(名古屋大学出版会、1995年)、山下興亜編『昆虫から学ぶ生きる知恵』(クバプロ、2001年)などがある。
岸 由二(きし ゆうじ) 慶應義塾大学名誉教授。1947年生まれ。東京都立大学理学部博士課程退学。理学博士。専門は生態学、都市再生研究。著書に『リバーネーム』(リトル・モア、1994年)、『自然へのまなざし』(紀伊國屋書店、1996年)、『環境を知るとはどういうことか』(共著、PHP研究所、2009年)、『奇跡の自然』(八坂書房、2012年)、『「流域地図」の作り方』(筑摩書房、2013年)などがある。
宮下志朗(みやした しろう) 放送大学教養学部教授。1947年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。専門は書物史、ユマニスム研究。著書に『本の都市リヨン』(晶文社、1989年)、『読書の首都パリ』(みすず書房、1998年)、『書物史のために』(晶文社、2002年)、『神をも騙す』(岩波書店、2011年)、訳書にフランソワ・ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』(筑摩書房、2005−2012年)などがある。
上枝美典(うええだ よしのり) 慶應義塾大学文学部教授。1961年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程退学。専門は哲学。著書に『「神」という謎』(世界思想社、2000年[2007年])、分担執筆に神崎繁ほか編『西洋哲学史』第2巻(講談社、2011年)、戸田山和久ほか編『応用哲学を学ぶ人のために』(世界思想社、2011年)、竹下政孝ほか編『イスラーム哲学とキリスト教中世』第2巻(岩波書店、2012年)などがある。
石川公彌子(いしかわ くみこ) 学習院大学非常勤講師。1976年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。専門は日本政治思想史。著書に『〈弱さ〉と〈抵抗〉の近代国学』(講談社、2009年)がある。
渡辺 靖(わたなべ やすし) 慶應義塾大学環境情報学部教授。1967年生まれ。ハーヴァード大学大学院人類学部博士課程修了(Ph. D.)。専門は文化人類学、アメリカ研究。著書に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会、2004年)、『アメリカン・デモクラシーの逆説』(岩波書店、2007年)、『アメリカン・コミュニティ』(新潮社、2007年)、『アメリカン・センター』(岩波書店、2008年)、『文化と外交』(中央公論新社、2011年)などがある。
清水 聰(しみず あきら) 慶應義塾大学商学部教授。1963年生まれ。慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。専門はマーケティング。著書に『新しい消費者行動』(千倉書房、1999年)、『消費者視点の小売戦略』(千倉書房、2004年)、『戦略的消費者行動論』(千倉書房、2006年)、『「コミュニケーション型生活者』を探せ!』(共著、日経BPコンサルティング、2007年)、『日本発のマーケティング』(千倉書房、2013年)などがある。
飯盛義徳(いさがい よしのり) 慶應義塾大学総合政策学部准教授。1964生まれ。慶應義塾大学大学院経営管理研究科博士課程修了。博士(経営学)。専門は地域イノベーション、ファミリービジネスマネジメント。著書に『社会イノベータ』(慶應義塾大学出版会、2009年)、『小学生のためのキャリア教育実践マニュアル』(共著、慶應義塾大学出版会、2011年)、『慶應SFCの起業家たち』(共編著、慶應義塾大学出版会、2013年)などがある。
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