「ゆとり」は生命に何をもたらすのか? 「ゆとり」が人間を特別な存在にする? 「ゆとり」と「むだ」の違いは? 能力を発揮するために必要な「ゆとり」とは? ▼「ゆとり」を取り巻くさまざま疑問に、人類学、環境学、数学、心理学から現代アート、ロボット工学まで多彩な視点から考察。
本書は、日本図書館協会選定図書です。
【鈴木晃仁】 ゆとりをめぐって
【長谷川眞理子】 ゆとりの進化生物学的基盤T―人類進化史から ゆとりの進化生物学的基盤U―ゆとり・遊び・無駄の神経機構から
【鈴木 款】 見えない自然の循環が生命を支える―サンゴ礁からのメッセージ
【日高敏隆・幸島司郎】 動物行動学とは何か?ーゆとりと自由な学問
【坂根厳夫】 「遊び」の比較文化論的考察について―“遊び”や境界領域に永年関わってきた個人史的回想から 情報化時代の芸術・文化にみる意識の深化と拡張について
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著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
鈴木 晃仁(すずき・あきひと) 慶應義塾大学経済学部教授。1963年生まれ。 1986年東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学専攻卒業。 1992年ロンドン大学ウェルカム医学史研究所Ph.D.同研究所フェロー、アバディーン大学トマス・リード研究所フェローなどを経て、1997年より慶應義塾大学経済学部助教授、2005年より現職。 主な著書に、Madness at Home: The Psychiatrist, the Patient, And the Family in England, 1820-1860. (University of California Press, 2006)、『身体医文化論―感覚と欲望』(慶應義塾大学出版会、2002年)、『身体医文化論W―食餌の技法』(慶應義塾大学出版会、2005年)など。
長谷川 眞理子(はせがわ・まりこ) 総合研究大学院大学先導科学研究科教授。1952年生まれ。 1976年東京大学理学部生物学科を卒業、1983年同大学院理学系研究科人類学専攻博士課程修了。その後、東京大学理学部人類学教室助手、専修大学助教授・教授、Yale大学人類学部客員準教授、早稲田大学政治経済学部教授を経て、2006年より現職。 主な著書に、『クジャクの雄はなぜ美しい?【増補改訂版】』(紀伊國屋書店、2005年)、『進化とは何だろうか』(岩波書店、1999年)、『ダーウィンの足跡を訪ねて』(集英社、2006年)。翻訳書に、チャールズ・ダーウィン著『人間の進化と性淘汰T・U』(文一総合出版、1999・2000年)など多数。
鈴木 款(すずき・よしみ) 静岡大学創造科学技術大学院教授、静岡大学創造科学静岡研究院長。1947年生まれ。 1972年静岡大学工学部卒業。1981年理学博士(名古屋大学)。 現在、上記の他にも静岡大学重点研究領域プログラムリーダー、中国浙江大学環境科学院客員教授、国際サンゴ礁学会評議員なども兼任。 著書に、『海洋生物と炭素循環』(東京大学出版会、1997年)など。
日高 敏隆(ひだか・としたか) 京都大学名誉教授。1930年生まれ。 2009年11月23日逝去。 著書に、『世界を、こんなふうに見てごらん』(集英社、2010年)、『人間はどこまで動物か』(新潮社、2006年)、『動物と人間の世界認識』(筑摩書房、2003年)、『春の数えかた』(新潮社、2001年)【日本エッセイスト・クラブ賞受賞】)、『チョウはなぜ飛ぶか』(岩波書店、1975年【毎日出版文化賞受賞】)。 翻訳書に、リチャード・ドーキンス著『利己的な遺伝子』(共訳、紀伊國屋書店、1991年)、コンラート・ローレンツ著『動物行動学』(共訳、思索社、1977-80年【新思索社、2005年】)など多数の著作がある。
幸島 司郎(こうしま・しろう) 京都大学野生動物研究センター教授。1955年生まれ。 1985年京都大学大学院博士課程修了。日本学術振興会奨励研究員・特別研究員、東京工業大学理学部助教授・大学院生命理工学研究科准教授を経て、2008年より現職。 翻訳書に、ケネス・S・ノリス著『イルカ入門』(どうぶつ社、1996年)、ジョン・C・クリッチャー著『熱帯雨林の生態学―アマゾンの生態系と動植物』(どうぶつ社、1992年)、バーバラ・テイラー、ジェフ・ブライトリング著『北極と南極(ビジュアル博物館)』(同朋社出版、1995年)など。
坂根 厳夫(さかね・いつお) 情報科学芸術大学院大学、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)名誉学長。多摩美術大学美術学部情報デザイン学科客員教授、名古屋芸術大学特別客員教授。1930年生まれ。1956年東京大学大学院建築学科修士課程修了、朝日新聞社入社。1990年定年退職の後、慶応義塾大学環境情報学部教授、岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー学長を経て、2003年よりフリー。主な著書に、『美の座標』(みすず書房、1973年)、『遊びの博物誌』(朝日新聞社、1977年)、『境界線の旅』(朝日新聞社、1984)、『イメージの回廊』(朝日新聞社、1986)、『拡張された次元』(NTT出版社、2003)など。
西成 活裕(にしなり・かつひろ) 東京大学先端科学技術研究センター教授。1967年生まれ。 東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科助教授、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻准教授・教授を経て、2009年より現職。 主な著書に、『無駄学』(新潮社、2008年)、『爆笑問題のニッポンの教養 万物は渋滞する 渋滞学』(講談社、2008年)、『クルマの渋滞 アリの行列 渋滞学が教える「混雑」の真相』(技術評論社、2007年)、『渋滞学』(新潮社、2006年)など。
山 緑(たかやま・みどり) 慶應義塾大学理工学部准教授。 ミシガン大学 Institute for Social Research 客員研究員。 1991年慶應義塾大学文学部卒。1998年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)臨床心理士。 著書・訳書・論文に、『高齢者心理学』(朝倉書店、2008年)、『エイジング心理学ハンドブック』(北王路書房、2007年)、「知恵―認知過程と感情過程の統合」(『心理学評論』52巻、2009年)など。
前野 隆司(まえの・たかし) 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。1962年生まれ。 1986年東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了。同年、キヤノン株式会社に入社。1993年博士(工学)学位取得(東京工業大学)。2008年より現職。 主な著書に、『思考脳力のつくり方―仕事と人生を革新する四つの思考法』(角川書店、2010年)、『脳はなぜ「心」をつくったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』(筑摩書房、2004年)など多数。
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