▼「先進国の一員」に加わるための外交戦略とは何だったのか?
▼「所得倍増」「寛容と低姿勢」という言葉で語られてきた、池田勇人政権。 高度経済成長の外交的帰結である「先進国クラブ」OECDへの加盟は どのように達成されたのか?
▼池田政権にとっては、米国だけではなく欧州まで含めた、 いわゆる「自由陣営」諸国との関係の改善・強化、すなわち対「自由陣営」外交が、 経済的・政治的にきわめて重要な課題であった。これを本書では「政治経済=内政外交一体路線」と呼ぶ。
▼冷戦という状況を利用しつつ、米国との関係を緊密化し、欧州にも外交的地平を拡げていった池田勇人政権。 経済成長を軸に国内の政治的安定と国際的地位の向上を目指した外交の構図を大胆に描く、意欲作。
国際政治 日本国際政治学会発行、第179号に掲載されました。評者は吉次公介氏(立命館大学法学部教授)です。
日本歴史 第799号(2014年12月号)に書評が掲載されました。評者は、若月秀和氏(北海学園大学法学部教授)です。
日本経済新聞 6月23日のコラム「核心」【経済は手段か目的か】(論説委員長 芹川洋一氏)にて、著者、鈴木宏尚氏のコメントが掲載されました。
序章 池田政権と高度成長期の日本外交 第一節 池田外交とは何であったか (一)戦後政治外交史研究における池田政権期の重要性 / (二)池田外交研究の構図 第二節 政治と経済、内政と外交の連関――本書の視角 (一)対「自由陣営」外交という視点 / (二)内政と外交、政治と経済の構造的連関 第三節 構成と各章の課題
第一章 安保闘争とその余波――池田政権成立前夜 第一節 岸信介政権と安保闘争への序曲 (一)岸信介と安保改定 / (二 ……
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鈴木 宏尚(すずき ひろなお) 慶應義塾大学・獨協大学・フェリス女学院大学等非常勤講師。 1972年静岡県生まれ。立命館大学国際関係学部卒業、慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(法学)。専門は国際政治学、日本政治外交史。 主要業績:「OECD 加盟の外交過程」(『国際政治』第140号、2005年3月)、「池田外交の構図」(『国際政治』第151号、2008年3月)など。
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