▼シリーズ「世界を読み解く一冊の本」(全10巻)、第六弾。 ▼ボルヘスのアルター・エゴである「虎」を追い、その謎に迫る。 ▼「バベルの図書館」にまつわる絵画やボルヘスの生きた町、数々の原書や翻訳書の版(エディション)などを豊富な図版で紹介。
幻想小説の巨匠ボルヘス(1899-1986)による20世紀文学の傑作中の傑作『伝奇集』。この巧智あふれる短編集に向き合い、多彩な謎を鮮やかに取り出して再-物語化しながら、虎、無限、円環、迷宮、永遠、夢といったテーマをめぐる探究を読者に誘いかける。ボルヘスのパーソナルヒストリーや『伝奇集』の翻訳史とも照らし合わせつつ、ボルヘス流の仮構やたくらみを創造的に模倣しながら読み解く、画期的なボルヘス論!


図書新聞 第3440号(2020年3月21日号)4面に書評が掲載されました。評者は越川芳明氏(明治大学教授/アメリカ文学)です。
『ミセス』 2020年3月号に書評が掲載されました。評者は蜂飼耳氏(詩人、作家)です。

プロローグ
T 〈ボルヘス〉という秘め事 アルター・エゴとしての虎 虚構と『伝奇集』 忘れられた語り手 「ボルヘス」とは誰か? 混淆の出自と言語の脱領域性 〈秘め事〉としての「読むこと」と「書くこと」 ボルヘスとともに迷宮の虎を追う ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
今福 龍太(いまふく りゅうた) 文化人類学者・批評家。奄美自由大学主宰。Bで始まる作家(ボルヘス、ブラッドベリ、バルト、ベンヤミン…)を偏愛。こだわりの場所にメキシコ、ブラジル、キューバ、台湾、琉球弧、カボ・ヴェルジ、アイルランド、世界中の汀。食べ物はフェイジョン、パモーニャ、チポトレ、パクチー。夕暮れになればキルケニー、カシャーサ、シュタベントゥン、天草、レツィーナ。著書に『クレオール主義』『群島-世界論』『書物変身譚』『レヴィ=ストロース 夜と音楽』『ハーフ・ブリード』『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(讀売文学賞)『小さな夜をこえて』『宮沢賢治 デクノボーの叡知』など多数。
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