チョーサー『カンタベリー物語』
ジャンルをめぐる冒険
|
▼シリーズ「世界を読み解く一冊の本」(全10巻)、第4弾。 ▼英文学の古典的名著『カンタベリー物語』を、新たな視点から読み直す!
神が細部に宿る、豊饒な世界
「英詩の父」チョーサーの代表作『カンタベリー物語』。 カンタベリー大聖堂への巡礼の途上、職業も身分も異なる巡礼たちが語る 多種多様な物語は、キリスト教を支柱とする一枚岩的な世界とは異なる、 豊饒な世界を描き出し、物語文学のジャンルを拡張した。 神が細部に宿る物語世界のダイナミズムを丁寧に描く。
週刊読書人 2019年第3290号(6面)に書評が掲載されました。評者は木下卓氏(愛媛大学名誉教授・英米文学専攻)です。 本文はこちら
序 『カンタベリー物語』の中世的な面白さ
T 『カンタベリー物語』の誕生 1 チョーサーの生涯と文学観 チョーサーの生涯――公的記録から チョーサーの創作活動――作品と制作年代 ヨーロッパ文学という文脈 2 『カンタベリー物語』の写本と構造 未完の『カンタベリー物語』 『カンタベリー物語』の写本と出版 配列順序へのこだわりと中世の作品観 3 巡礼という枠組と「総序の詩」 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
松田 隆美(まつだ たかみ) 慶應義塾大学文学部教授。イギリス中世文学。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了、ヨーク大学大学院博士課程修了。 著作に、『ヴィジュアル・リーディング』(ありな書房、2010年)、『煉獄と地獄』(ぷねうま舎、2017年)、『世界を読み解く一冊の本』(編著、慶應義塾大学出版会、2014年)などがある。
|