エーコ『薔薇の名前』
迷宮をめぐる〈はてしない物語〉
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▼巨人の肩の上から望む「中世」の景色
『薔薇の名前』の緻密な物語は、ディテールを押さえてこそ楽しめる! 本書では、エーコの想像力の源泉にして「舞台装置」である中世ヨーロッパを、背景知識から丁寧に解説。 知の巨人が綿密に作り上げた「中世」の世界を、鳥の目と虫の目を通じて読み解いてみよう。
西日本新聞 2021年8月28日「読書面」(9面)で本書が紹介されました。
北海道新聞 2021年8月22日「読書面」(11面)で本書が紹介されました。
読売新聞 2021年7月4日(12面)「文化面・本よみうり堂」に書評が掲載されました。評者は栩木伸明氏(アイルランド文学者・早稲田大学教授)です。 本文はこちら。
序 『薔薇の名前』の解読 『薔薇の名前』と西洋中世研究 エーコと「中世」との距離 美学から記号論へ 知の巨人エーコ、小説を書く
T 『薔薇の名前』の舞台 物語の枠組み プロローグ──時代背景 宗教と政治──教権と俗権の対立 宗教と社会──異端と教会改革 民衆的異端の拡大──ヴァルド派とカタリ派 托鉢修道会の成立──ドミニコ会とフランチェスコ会 一四世紀における聖俗権力の対立構図 中世の世界へ──舞台としての修道 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
図師 宣忠(ずし のぶただ) 甲南大学文学部教授。専門は、西洋中世史。 京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学)。 著書に、『はじめて学ぶフランスの歴史と文化』(共著、ミネルヴァ書房、2020年)、訳書に、J・H・アーノルド『中世史とは何か』(共訳、岩波書店、2022年)などがある。
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