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目次
チョーサー『カンタベリー物語』
四六判/上製/256頁
初版年月日:2019/04/25
ISBN:
978-4-7664-2560-4
 
(4-7664-2560-X)
Cコード:C0300
税込価格:2,640円
チョーサー『カンタベリー物語』
ジャンルをめぐる冒険

目次

序 『カンタベリー物語』の中世的な面白さ

T 『カンタベリー物語』の誕生
 1 チョーサーの生涯と文学観
  チョーサーの生涯――公的記録から
  チョーサーの創作活動――作品と制作年代
  ヨーロッパ文学という文脈
 2  『カンタベリー物語』の写本と構造
  未完の『カンタベリー物語』
  『カンタベリー物語』の写本と出版
  配列順序へのこだわりと中世の作品観
 3 巡礼という枠組と「総序の詩」
  一四世紀のカンタベリー巡礼
  語り手の巡礼たち
  ジャンルをめぐる冒険

U 話の饗宴――『カンタベリー物語』のダイナミズム
 1 ヨーロッパ中世と古代
  ボッカッチョとの相違点
  「騎士の話」におけるジャンルの変容
  チョーサーと古代
 2 ファブリオ的な笑いの変容
  ファブリオというジャンル
  「粉屋の話」と笑いの昇華
  「荘園領管理人の話」の意趣返し
  「料理人の話」の行きつくところ
  「貿易商人の話」の暑苦しさ
  「船長の話」における打算と慎重
  商人たちの行動規範を求めて
 3 賢妻と女性の声
  バースの女房の類型をめぐって
  「バースの女房の話」におけるゆらぎ
  忍耐強いグリゼルダと「学僧の話」
  ボッカッチョが語る驚異のグリゼルダ
  ペトラルカによるキリスト教化
  チョーサーのペーソス
  グリゼルダの話の変容
  「メリベウスの話」の助言と沈黙
  思慮を欠いた夫たち
 4 うっとうしい教会関係者と誤読
  免償と免償説教家
  「諸悪の根源は金銭欲にあり」
  死に至る誤読
  托鉢修道士と召喚吏
  「托鉢修道士の話」と誓言のレトリック
  「召喚吏の話」と風の贈り物
 5 奇蹟、驚異、魔術とオリエント
  奇蹟と驚異
  奇蹟譚としての「弁護士の話」
  その向こうのアジア――「騎士の従者の話」
  「騎士の従者の話」における新奇
  「騎士の話」と中世的ファンタジー文学
  愛の誓いと契約
 6 不条理な死と勝利
  「女子修道院長の話」と聖母マリア崇敬
  ユダヤ人表象のアンビバレンス
  女子修道院長の歴史感覚
  「第二の修道女の話」と意志の勝利
  「医者の話」――主従関係の犠牲としての死
  「修道士の話」と運命の不条理
 7 ジャンルの解体とメタナラティヴ
  「修道女付き司祭の話」の解釈学的パロディ
  「賄い方の話」と例話の解体
  「サー・トパスの話」における究極のバーレスク
  ペルソナにこめられた作者の詩人観
  「聖堂参事会員の従者の話」における自己投影

V 物語の終焉――『カンタベリー物語』のその後
 1 『カンタベリー物語』の終わりの感覚
  「教区司祭の話」と実践的読書
  チョーサーによる「取り消し文」
  コルプス・ミスティクムとしての巡礼
 2 『カンタベリー物語』のその後と現代
  一五世紀の『カンタベリー物語』
  近代における受容
  『カンタベリー物語』の視覚化――挿絵と絵画
  グローバル・チョーサー



参考文献
あとがき
図版出典一覧
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