折口信夫の最後の弟子が後世に残す折口信夫のエッセンス 百年前・千年前に滅びた芸能の発生展開を再構築していく折口の芸能史論
「私の研究の立場は、常に発生に傾いてゐる。かうする事が、国文学史や、芸能史の考究には、最適(もっともふさはしい)方法だと考へる」
百年前・千年前に滅びたものが、個々の特殊な形に残ることに着目し、芸能の発生展開を再構築していく折口の芸能史論を、本『精選W』では、能・田楽・狂言、舞いと踊り、説教節、歌舞伎論等に加え、小説「身毒丸」にみるものである。
毎日新聞 2020年1月26日(9面)「今週の本棚」に書評が掲載されました。評者は持田叙子氏(日本近代文学研究者)です。 本文はこちら(有料記事です)
『三田評論』 2019年12月号(No.1239)(p.76〜p.77)で、書評が掲載されました。評者は伊藤好英氏(元慶應義塾高校教諭・塾員)です。 本文はこちら
朝日新聞 2019年12月14日(24面)「読書欄・情報フォルダー」で、本書が紹介されました。
凡 例
翁の発生 能楽に於ける「わき」の意義 「翁の発生」の終篇 信州新野の雪祭り 盆踊りの話 組踊り以前 舞ひと踊りと * 無頼の徒の芸術 日本芸能史序説 古代演劇論 * 信太妻の話 餓鬼阿弥蘇生譚 小栗外伝(餓鬼阿弥蘇生譚の二) * 役者の一生 江戸歌舞妓の外輪に沿うて 玉手御前の恋 * 身毒丸
戦後の折口先生 岡野弘彦 解 題 長谷川政春
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 折口 信夫(おりくち しのぶ、1887年−1953年) 歌人・詩人、国文学・民俗学・芸能史・宗教学者。筆名・釈迢空。 大阪府木津村生れ。國學院大學卒業。國學院大學教授、および慶應義塾大学教授。 1953年9月3日逝去(66歳)。能登の墓所に養嗣子春洋とともに眠る。
【編者】 岡野 弘彦(おかの ひろひこ) 1924年、三重県生れ。歌人。日本芸術院会員、文化功労者、國學院大學名誉教授。 國學院大學国文科卒業。昭和22年から28年9月の逝去まで、折口信夫と生活を共にして世話をする。 『折口信夫全集』『折口信夫全集ノート編』の編集に参加。 折口信夫論として『折口信夫の晩年』『折口信夫の記』『折口信夫伝』がある。
【解題】 長谷川 政春(はせがわ まさはる) 1939年、生れ。国文学者。清泉女子大学名誉教授。岡野弘彦の弟子として、折口信夫全集の編纂に携わる。専門は、古典文学および折口信夫。『折口信夫 孤高の詩人学者』(共著)がある。
|