折口信夫の最後の弟子が後世に残す 折口信夫のエッセンス いのちの言葉のしらべを追究した短歌の本質論と 迢空短歌にみる心の秘奥
折口信夫にとって「短歌」は、現代文学の一ジャンルではない。古代人との魂のひびきあいの声であり、日本人の伝統生活を現代にみちびく凝縮とよみがえりである。本『精選V』では、いのちの言葉のしらべをダイアローグに復活するために追究した古典短歌、近代短歌の本質論と、歌人・釈迢空の歌だけが持つ力、みずみずしい心の秘奥を短歌実作にみるものである。


毎日新聞 2020年1月26日(9面)「今週の本棚」に書評が掲載されました。評者は持田叙子氏(日本近代文学研究者)です。 本文はこちら(有料記事です)
『三田評論』 2019年12月号(No.1239)(p.76〜p.77)で、書評が掲載されました。評者は伊藤好英氏(元慶應義塾高校教諭・塾員)です。 本文はこちら
朝日新聞 2019年12月14日(24面)「読書欄・情報フォルダー」で、本書が紹介されました。

凡 例
短歌本質成立の時代 万葉集以後の歌風の見わたし 女房文学から隠者文学へ 後期王朝文学史 歌の円寂する時 新古今前後(抄) 評価の反省 * 『世々の歌びと』追ひ書きにかへて 明治の新派和歌 女流の歌を閉塞したもの * 迢空短歌編
師の家の歌の明け暮れ 岡野弘彦 解題 長谷川政春
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【著者】 折口 信夫(おりくち しのぶ、1887年−1953年) 歌人・詩人、国文学・民俗学・芸能史・宗教学者。筆名・釈迢空。 大阪府木津村生れ。國學院大學卒業。國學院大學教授、および慶應義塾大学教授。 1953年9月3日逝去(66歳)。能登の墓所に養嗣子春洋とともに眠る。
【編者】 岡野 弘彦(おかの ひろひこ) 1924年、三重県生れ。歌人。日本芸術院会員、文化功労者、國學院大學名誉教授。 國學院大學国文科卒業。昭和22年から28年9月の逝去まで、折口信夫と生活を共にして世話をする。 『折口信夫全集』『折口信夫全集ノート編』の編集に参加。 折口信夫論として『折口信夫の晩年』『折口信夫の記』『折口信夫伝』がある。
【解題】 長谷川 政春(はせがわ まさはる) 1939年、生れ。国文学者。清泉女子大学名誉教授。岡野弘彦の弟子として、折口信夫全集の編纂に携わる。専門は、古典文学および折口信夫。『折口信夫 孤高の詩人学者』(共著)がある。
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