折口信夫の最後の弟子が 後世に残す 折口信夫のエッセンス 生涯のテーマであった「日本文学の発生論」の展開
本シリーズは、折口信夫(1887年〜1953年) の学問研究および釈迢空の筆名で発表された詩歌の作品をも含めた、全著作からのアンソロジー。編者は、最後の弟子であり、歌人でもある岡野弘彦。以前から心に秘めていた師・折口信夫の精選の「詞華集」である。
折口は生涯に亘って何を求めたのか――。若い人々の篤い心で読まれることを企図している。
折口信夫の生涯のテーマであった「日本文学の発生論」。日本人の心の始原の言葉とはなにか、文学を押し動かしてきた力とはなにか、を重層的に問い続けた折口の展開を、本『精選U』では「貴種流離譚」や「笑いの文学」、「源氏物語論」などの物語史とともにとらえるものである。
毎日新聞 2020年1月26日(9面)「今週の本棚」に書評が掲載されました。評者は持田叙子氏(日本近代文学研究者)です。 本文はこちら(有料記事です)
『三田評論』 2019年12月号(No.1239)(p.76〜p.77)で、書評が掲載されました。評者は伊藤好英氏(元慶應義塾高校教諭・塾員)です。 本文はこちら
朝日新聞 2019年12月14日(24面)「読書欄・情報フォルダー」で、本書が紹介されました。
凡 例
国文学の発生(第一稿)呪言と叙事詩と 国文学の発生(第二稿) 国文学の発生(第四稿)唱導的方面を中心として * 小説戯曲文学における物語要素 日本文学の内容 笑ふ民族文学 * 日本の創意 源氏物語を知らぬ人々に寄す 反省の文学源氏物語 ものゝのけ其他
折口先生と源氏物語の講義 岡野弘彦 解 題 長谷川政春
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【著者】 折口 信夫(おりくち しのぶ、1887年−1953年) 歌人・詩人、国文学・民俗学・芸能史・宗教学者。筆名・釈迢空。 大阪府木津村生れ。國學院大學卒業。國學院大學教授、および慶應義塾大学教授。 1953年9月3日逝去(66歳)。能登の墓所に養嗣子春洋とともに眠る。
【編者】 岡野 弘彦(おかの ひろひこ) 1924年、三重県生れ。歌人。日本芸術院会員、文化功労者、國學院大學名誉教授。 國學院大學国文科卒業。昭和22年から28年9月の逝去まで、折口信夫と生活を共にして世話をする。 『折口信夫全集』『折口信夫全集ノート編』の編集に参加。 折口信夫論として『折口信夫の晩年』『折口信夫の記』『折口信夫伝』がある。
【解題】 長谷川 政春(はせがわ まさはる) 1939年、生れ。国文学者。清泉女子大学名誉教授。岡野弘彦の弟子として、折口信夫全集の編纂に携わる。専門は、古典文学および折口信夫。『折口信夫 孤高の詩人学者』(共著)がある。
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