イスラーム神学における信の構造
イーマーンとイスラームの意味論的分析
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▼1000年にわたるイスラーム神学論争! 『井筒俊彦英文著作翻訳コレクション』第四弾。
イスラーム思想史・神学史を考える上で最も興味深い7世紀末から18世紀にいたるまで、個人的・実存的な「信じること」や「信仰」のあり方が、いかに理性のフィルターを通し、概念化されていったのかを辿る。ときに学派間に烈しい議論をまきおこしながら、精緻な理論へ練り上げられていった、1000年にわたる壮大な神学論争を、意味論的手法を用いて鮮やかに分析、生き生きと描出する。
序
第一章 不信心者(kāfir) 一 ハワーリジュ派とカーフィルの問題の起源 二 ハワーリジュ派のクフル概念 三 ハワーリジュ派思想の基本構造
第二章 タクフィール(takfīr)の概念 一 恣意的なタクフィール行使の危険性 二 ガザーリーによるタクフィール理論
第三章 重罪人(fāsiq) 一 重罪 ……
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【著者】 井筒 俊彦(いづつ としひこ) 1914年、東京都生まれ。1949年、慶應義塾大学文学部で講義「言語学概論」を開始、他にもギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学などの授業を担当した。『アラビア思想史』『神秘哲学』や『コーラン』の翻訳、英文処女著作Language and Magic などを発表。 1959年から海外に拠点を移し英文で研究書の執筆に専念し、God and Man in the Koran, The Concept of Belief in Islamic Theology, Sufism and Taoism などを刊行。 1979年、日本に帰国してからは『イスラーム文化』『意識と本質』などの代表作を発表。93年、死去。『井筒俊彦全集』(全12巻、別巻1、2013年−2016年)。
【監訳者】 鎌田 繁(かまだ しげる) 東京大学名誉教授、日本オリエント学会前会長。イスラーム神秘思想・シーア派研究。
【訳者】 仁子 寿晴(にご としはる) 同志社大学非常勤講師。イスラーム哲学・中国イスラーム思想。
橋爪 烈(はしづめ れつ) 千葉科学大学薬学部薬学科講師、カリフ制度史・イスラーム政治思想史研究。
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