近代におけるロマンティック・ラブとは何か。 ▼気鋭のアメリカ人研究者、デビッド・ノッターが、19世紀に「ホーム」が中産階級の間で定着した時期の米国と、大正期に「家庭」が新中産階級の間で登場した時期の日本を中心に、「ロマンティック・ラブ」、「愛」、「恋愛」に付与された意味を比較研究。 ▼配偶者選択の意志決定主体、家族関係、夫婦関係の変容を、明治・大正期の書籍・雑誌などにみられる言説、および、アメリカの先行研究との比較から分析。近代日本における「愛」の歴史を辿り、日本近代の家族制度、結婚制度、文化の特徴をあきらかにする。
本書は、日本図書館協会選定図書です。
総合女性史研究 25号(105頁)で紹介されました。 図書新聞 2008年1月12日号(2853号)(5面)で紹介されました。 日本経済新聞 2007年12月23日「読書」欄(23面)で紹介されました。 出版ニュース 2007年12月中旬号「ブックガイド」(23頁)で紹介されました。
序 「恋愛」の系譜/問題設定/方法論および主要テーマ
I 純潔の構造 第1章 聖と俗としての恋愛 ロマン主義的愛を聖―俗理論から捉える視角/十九世紀米国のロマンティック・ラブにおける信念と儀礼/ヴィクトリア朝のセクシュアリティ
第2章 男女交際・コートシップ 「清潔なる男女交際」の理想/共同体的男女交際から近代的男女交際へ/女の純潔と男の自制
II 恋愛至上主義の時代 第3章 恋愛至上主義の栄光と陥落 『婦人公論』と『主婦之友』の読 ……
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デビッド・ノッター(David Notter) 慶應義塾大学経済学部准教授 1964年、米国生まれ。オベリン大学(Oberlin College)卒業。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。論文に、「近代家族と家族感情」(稲垣恭子編『子ども・学校・社会:教育と文化の社会学』世界思想社、2006年)、「純潔の構造:聖と俗としての恋愛」(『ソシオロジ』150号、2004年)、「スポーツ・エリート・ハビトゥス」(共著、杉本厚夫編『体育教育を学ぶ人のために』世界思想社、2001年)などがある。
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