再分配政策の政治経済学 I
第2版 日本の社会保障と医療
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「政策は、所詮、力が作るのであって正しさが作るのではない。」 ▼公共政策のもつ「所得の再分配」という側面に着目し、民主主義社会における統治者と有権者の間の権力の作用や価値判断の問題を明示的に扱った政治経済学的分析を行う。医療・社会保障の経済研究に新たな視点で切り込む。2004年に年金改革を論じて話題を呼んだ気鋭の研究者の思考の原点となる論考。今日の医療制度改革を考えるうえで、示唆に富む一冊。
序章――問題意識の形成と各章の概要
I 分析視角と理論
1章 再分配政策形成における利益集団と未組織有権者の役割――再分配政策の政治経済学序論――
2章 制度派経済学としての医療経済学――ガルブレイスの依存効果と医師誘発需要理論の類似性――
3章 社会保障と経済政策――平等イデオロギー形成の事実解明的分析――
U 事実認識と問題設定
4章 日本における少子・高齢社会危機論への疑問――社会保障研究の問題設定 ……
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権丈善一(けんじょうよしかず)慶應義塾大学商学部教授。 1962年福岡県生まれ。1985年慶應義塾大学商学部卒業、90年同大学院商学研究科博士課程修了。嘉悦女子短期大学専任講師、慶應義塾大学商学部助手、同助教授を経て、2002年より現職。 主要著書に『年金改革と積極的社会保障政策――再分配政策の政治経済学U』(慶應義塾大学出版会、2004年、労働関係図書優秀賞)、翻訳にV. R. フュックス『保健医療政策の将来』(共訳、勁草書房、1995年)など。
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