中国 統治のジレンマ
中央・地方関係の変容と未完の再集権
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なぜ習近平政権は「再分権」を推進するのか? 80年代の改革・開放政策によって分権が進み、地方の台頭に関心が高まる一方で、90年代半ば以降、中国では中央政府により再び集権が進んだ。現代中国における中央・地方の関係はどのように変化し、またどのように論じられてきたのか。 さらに、分権を進める習近平政権を考える上で示唆となる、地方での政策執行を促進するためのインセンティブ・メカニズムを考察する。
『アジア研究』 Vol.67, No.2(2021年4月)(p.97〜p.99)に書評が掲載されました。評者は天児慧氏(早稲田大学名誉教授)です。
日本経済新聞 2021年5月8日(29面・読書面)「中国共産党100年の曲折・中央集権から再分権化へ」で、本書が紹介されました。紹介者は天児慧氏(早稲田大学名誉教授)です。 本文はこちら(有料会員限定です)
『アジア経済』(アジア経済研究所) Vol.61, No.4(p.64〜p.67)に書評が掲載されました。評者は任 哲氏(アジア経済研究所新領域研究センター)です。
序章 中央・地方関係をめぐる議論とその課題 第一節 改革・開放期以降の中央・地方関係をめぐる議論/第二節 本書の問題意識と構 成
第一部 再集権に関する議論についての検証 第一章 組織・人事面における再集権の実態 はじめに/第一節 組織面における再集権の試み/第二節 省指導部への人事権行使に よる統制強化の試み/第三節 組織・人事面における再集権の限界/おわりに
第二章 財政面における再集権の実態 はじめに/第一節 分税制の導入過程/第二節 分税 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
磯部 靖(いそべ やすし) 慶應義塾大学法学部准教授 1998年3月、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程単位取得退学。 法学博士。日本国際問題研究所アジア太平洋研究センター研究員および長崎外国語大学外国語学部准教授を経て、2009年4月から現職。専攻は現代中国政治。 主要著作に、『現代中国の中央・地方関係―広東省における地方分権と省指導者』 (慶應義塾大学出版会、2008年:第25回大平正芳記念賞受賞)、『中国 改革開放への転換―「一九七八年」を越えて』(共著、慶應義塾大学出版会、2011年)、『現代中国政治外交の原点』(共著、慶應義塾大学出版会、2013年)、『現代中国政治研究ハンドブック』(共著、慶應義塾大学出版会、2015年)などがある。
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