中国外交とプラグマティズム
一九五〇年代における中国の対英政策
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▼1950年代の中国外交は、冷戦構造を前提として展開したが、 ソ連との連携だけでは中国の国家戦略を実現できないという現実に直面した。 アメリカを中国安全保障にとっての脅威と見ていた中国指導者は、 対米戦争を回避するための「中間地帯」の一つとして、 イギリスの重要性を認識していたのである。
▼中国外交においてイデオロギーの原理優先で政策が決定されていたと 考えられていた冷戦期でも、実はプラグマティックな判断から合理的な判断が 決定されていたことを実証的に明らかにすることで、 中国という国の今後の外交戦略の本質を探る上で示唆を与える一冊。

アジア経済 Vol.58 No.4(2017年12月)に書評が掲載されました。評者は水本義彦氏(獨協大学外国語学部准教授)です。
中国研究月報 2017年10月号(Vol.71 No.10)「書評」(p.41)に掲載されました。評者は林大輔氏(武蔵野学院大学専任講師)です。
中国研究月報 2017年10月号に書評が掲載されました。評者は、林 大輔氏(武蔵野学院大学専任講師)です。

序 章 中国外交の行動原則へのアプローチ 第一節 一九五〇年代における対英政策の重要性 第二節 本書の視角 第三節 本書の資料と構成
第一章 承認問題をめぐる中国の対英方針 ―― 朝鮮戦争以前における対英政策の模索 第一節 建国以前における中国共産党とイギリスの関係 第二節 イギリスの中国承認と中国側の対応 第三節 建国以前における中国共産党の対香港政策
第二章 中国対英戦略の確立 ―― 朝鮮戦争勃発と対英関係の維持 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
廉 舒(れん しゅ/LIAN Shu) 慶應義塾大学ほか非常勤講師。北京大学歴史系卒業。 2013年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程修了、博士(法学)。 主要業績:「1950年代の中国対英・対日外交における対野党戦略」『KEIO SFC JOURNAL』第13巻2号(2013)、「第一次台湾海峡危機直後における中国の香港政策」『同』、第15 巻2号(2015)ほか。
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