パウル・ツェランとユダヤの傷
《間テクスト性》研究
|
「傷」が無数の線となり、やがて子午線を結ぶ…… ▼20世紀最大と言われるユダヤ系詩人パウル・ツェラン。 驚くほど豊穣で繊細な詩の世界を形づくっているのは、カフカ、フロイト、ベンヤミン、アドルノ、ブーバー、ショーレムといった数々のユダヤ人たちのテクストなのである。 ▼詩人の言葉に織り込まれた膨大な引用を丁寧に読み解いていくことで、「ユダヤ精神」なるものを明らかにする。
受賞のお知らせ 著者、関口裕昭氏が連合駿台会学術賞を受賞しました。


ドイツ文学研究(日本独文学会東海支部)44号に紹介されました(119頁〜121頁、土屋勝彦氏評)。
現代詩手帖 2012年6月号の「Book」にて紹介されました(田中亜美氏評、181頁)。
オーストリア文学 第28号に書評が掲載されました。(初見基氏評)

まえがき
第1章 薔 薇――パウル・ツェランという傷
第2章 アーモンド――ツェランとマンデリシュタームの対話 第1節 黒土に咲く薔薇の言葉 第2節 子午線をめぐる燕たち 第3節 時の中庭に
第3章 アウシュヴィッツ――ベンヤミン、アドルノと対峙するツェラン 第1節 歪められた歴史の天使――ベンヤミンを読むツェラン 第2節 アウシュヴィッツの後に詩は可能か――アドルノと対峙するツェラン
第4章 シェヒナー、あるいはユ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
関口 裕昭(せきぐち ひろあき) 1964年大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒。同大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。京都大学博士(文学)。愛知県立芸術大学准教授を経て、現在、明治大学准教授。専門は近現代ドイツ抒情詩、ドイツ・ユダヤ文学。 主著に、『パウル・ツェランへの旅』(郁文堂、2006年、オーストリア文学会賞)、『評伝パウル・ツェラン』(慶應義塾大学出版会、2007年、小野十三郎賞記念特別賞)などがある。
|