日本の産業集積の論理的枠組みを示す。 ▼日本の産業集積で起こったことは、産業空洞化の論理では把握できない。国内の多くの産業でみられたのは、国内完結型から東アジア地域への地理的拡大であり、分業生産体制の高度化である。日本全国のさまざまな産業集積の実態調査にもとづく産業集積論。著者渾身の1冊。

はじめに 本書でとりあげる地域 初出一覧
序 章 東アジア化とは何であったか――構造変化の統計的確認 1 はじめに 2 1990年代構造変化の実態 3 既存統計から示唆されるいくつかの論点 4 構造変化、東アジア化とは、東アジア大の地域分業生産体制の構築
第1章 1990年代半ばまでの国内機械工業集積調査研究の産業集積論への示唆 ――京浜地域・日立地域・諏訪地域を中心に 1 はじめに 2 各産業集積の独自な存立形態と市場環境 3 産業 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
渡辺幸男(わたなべ ゆきお) 慶應義塾大学経済学部教授。 1948年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程経済学専攻単位取得退学、経済学博士。慶應義塾大学経済学部助手、助教授を経て、1990年より現職。 著書に『日本機械工業の社会的分業構造―階層構造・産業集積からの下請制把握』(有斐閣、1997年)、『大都市圏工業集積の実態―日本機械工業の社会的分業構造 実態分析編1』(慶應義塾大学出版会、1998年)、『産地解体からの再生――地域産業集積「燕」の新たなる道』(共著、中小企業研究センター編、同友館、2001年)、『産地縮小からの反攻――新潟県ニットメーカーの多元・多様な挑戦』(共著、中小企業研究センター編、同友館、2003年)、『巨大都市印刷業の新展開――デジタル化の衝撃』(共著、中小企業研究センター編、同友館、2003年)、『21世紀中小企業論――多様性と可能性を探る』〔新版〕(共著、有斐閣、2006年)、『東アジア自転車産業論――日中台における産業発展と分業の再編』(共編著、慶應義塾大学出版会、2009年)など。
|