現代中国産業発展の研究
製造業実態調査から得た発展論理
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▼中国はいかに産業発展をなし得たのか その論理を追究し社会科学的な説明を試みる
日本における中小企業研究の第一人者である著者は、2000年以降、その研究対象を中国へと向け、浙江省の製造業や、自転車産業を中心に、各地で詳細な産業実態調査を続けてきた。 巨大な市場における激しい競争と、分業の広域化が形成されるなか、著しい経済発展を遂げた現代の中国と、高度成長期の日本には、ある種の共通性を見いだすことができる。 日中両国で膨大な調査を行った著者が、その比較の視点から、中国産業発展の論理を追究する。

産業学会研究年報 No.32、2017。評者は堀井伸浩氏(九州大学准教授)です。
中国経済経営研究 第1巻第1号(2017年3月)「書評」(p.86)に書評が掲載されました。評者は伊藤亜聖氏(東京大学)です。

はじめに
序 章 中国産業発展研究での方法と課題 第1節 (中国)産業発展を見る筆者の方法 第2節 聴取り調査により明らかにされた中国の産業発展の特徴 第3節 加藤弘之氏の「曖昧な制度」と社会科学的説明 補 節 渡邉真理子氏による正統派経済学からのアプローチ
〈第1部 温州製造業から見た中国の産業発展〉
第1章 紹興・温州製造業の実態調査での衝撃 はじめに 第1節 企業訪問聴取り調査と工場視察 第2節 市 ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
渡辺幸男(わたなべ ゆきお) 慶應義塾大学名誉教授。 1948年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程経済学専攻単位取得退学、博士(経済学)。慶應義塾大学経済学部助手、助教授、教授を経て、2013年より名誉教授。 著書に『日本機械工業の社会的分業構造 ―― 階層構造・産業集積からの下請制把握』(有斐閣、1997年)、『大都市圏工業集積の実態 ―― 日本機械工業の社会的分業構造 実態分析編1』(慶應義塾大学出版会、1998年)、『産地解体からの再生 ―― 地域産業集積「燕」の新たなる道』(共著、中小企業研究センター編、同友館、2001年)、『産地縮小からの反攻 ―― 新潟県ニットメーカーの多元・多様な挑戦』(共著、中小企業研究センター編、同友館、2003年)、『巨大都市印刷業の新展開 ―― デジタル化の衝撃』(共著、中小企業研究センター編、同友館、2004年)、『東アジア自転車産業論 ―― 日中台における産業発展と分業の再編』(共編著、慶應義塾大学出版会、2009年)、『現代日本の産業集積研究 ―― 実態調査研究と論理的含意』(慶應義塾大学出版会、2011年)、『21世紀中小企業論 ―― 多様性と可能性を探る』〔第3版〕(共著、有斐閣、2013年)など。
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