古代と現代の言葉をつなぐ奇跡、メタファ。 ▼古代ヘブライ人のしなやかな言語観は、時空を超えて、現代の私たちに何を語りかけているのだろうか。メタファの仕組みを解析しながら、数千年前に描かれた難解な古代ヘブライ語の表現世界をやさしく読み解いていく。 ▼本書において、言語の歴史的変化を扱うフィロロジストと、現代の言語データを理論に基づいて分析するセオリストの協働研究によって『旧約聖書』の通時的視点かつ共時的視点の統合が実現した。巻末には、その分析リストを掲載。180にわたる項目は、聖書の読解のみならず、日常の英語表現や欧米の文学作品及び映画などにみられる比喩表現の読み解きにも役立つだろう。 ▼『旧約聖書』をこれから読む人も読み直す人にも新しい発見がある一冊。
はじめに
第1部 聖書の扉を開く 1.『旧約聖書』の世界 イギリスと英語と聖書 『旧約聖書』原典の言語 『旧約聖書』・『新約聖書』・『外典』 ユダヤ教とキリスト教 『外典』・『旧約聖書続編』・『アポクリファ』 『旧約聖書』の文字 ヘブライ語の英訳と日本語訳
2. 『旧約聖書』と古代世界 バイブルと古代都市ビブロス アブラハムの時代 アブラハムの時代の人々と生活 結婚と出産 乳と蜜が流れる地カナン ヘブライ人 ユダ ……
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橋本功(はしもと いさお) 1944年生まれ。関西外国語大学外国語学部教授。 名古屋大学大学院修士課程修了、文学博士(名古屋大学)。専攻は、英語史、聖書英語の研究。主要著書に、『英語史入門』(慶應義塾大学出版会、2005年)、『聖書の英語とヘブライ語法』(英潮社、1998年)、『聖書の英語―― 旧約原典からみた』(英潮社、1995年)他、主要論文に、"Herbraisms in English Bibles"(Studies in English Medieval Language and Literature. Vol. 22 Frankfurt am Main: Peter Lang. 2008)、「聖書メタファー分析」(共著者:八木橋弘勇)(『人文学部論集』第40号、信州大学、2006年)、「To die the deathの起源について(『英文學研究』日本英文学会、第62巻第2号、1985年)などがある。
八木橋宏勇(やぎはし ひろとし) 1979年生まれ。杏林大学外国語学部講師。 慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程(単位取得満期退学)。 専攻は、認知言語学・社会言語学・第二言語習得論。主要業績に、「サイバースペースコミュニケーション」(唐須教光(編)『開放系言語学への招待――――文化・認知・コミュニケーション』、慶應義塾大学出版会、2008年)、「イディオム学習への認知的アプローチ」(『東京工芸大学工学部紀要』Vol. 29. No.2、東京工芸大学、2007年)、「メタファとメトニミの相互作用――聖書を読み解く認知メカニズム」(共著者:橋本功)(『人文学部論集』第41号、信州大学、2007年)などがある。
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