▼メディアは単なる情報の発信元ではない。信頼できるジャーナリズムの担い手に求められるものとは・・・? ▼新聞とテレビがここ数年間に行った報道の中から、ジャーナリズムの名に値する報道、特筆すべき成果をあげた取り組みを一つ一つ取り上げていく。現場からの生きた報告によって、報道の意義、新たな可能性を考える。 ▼「アスベスト被害」「ワーキングプア」「医療事故」「クラスター爆弾」「防衛省・自衛隊の実像」などのテーマで発表された記事・番組から、朝日新聞・毎日新聞・東京新聞の編集委員・社会部記者、東海テレビ報道部ディレクター、NHK報道局社会部などの執筆者が、企画・取材の過程を通じてジャーナリズムのあるべき姿を伝える。
本書は、日本図書館協会選定図書です。
 朝日新聞社ジャーナリスト学校の千葉光宏氏「はじめに」を公開しました。


総J研 2011年冬号(第215号)(61頁)で紹介されました。
ジャーナリスト 2010年11月25日号(第632号)6面で紹介されました。
法学セミナー 2010年12月号(No.672,131頁)で紹介されました。

はじめに 千葉光宏
連載「新聞と戦争」 上丸 洋一
命を削る貧困の労働現場から 東海林 智
ルポ児童虐待 西見 誠一
アスベスト被害 大島 秀利
医療事故と報道 出河 雅彦
NHKスペシャル『ワーキングプア』 中嶋 太一
防衛省・自衛隊の実像 半田 滋
反クラスター爆弾報道――国の防衛政策を動かしたキャンペーン―― 斎藤 義彦
ドキュメンタリー光と影――光市母子殺害事件弁護団の三〇〇日―― ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【編者】 朝日新聞社ジャーナリスト学校 2006年10月に発足。新人からベテラン、管理職まで各階層の記者たちに、ジャーナリズムや記者倫理、報道全般について研修している。
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所 1946年に慶應義塾大学新聞研究室として産声を上げ、その後新聞研究所と改称。創立50周年にあたる1996年にメディア・コミュニケーション研究所に改称した。新聞、放送、通信社、出版、広告など、メディアやコミュニケーションに関する研究や、関連業界に就職する学生のための教育を行なう。これまで著名なジャーナリストやメディア業界で活躍する人材を数多く輩出してきた。
【著者】(掲載順) 上丸洋一(じょうまる・よういち) 朝日新聞編集委員 1955年生まれ。東京学芸部長、オピニオン編集長、『論座』編集長などを経て2007年から現職。言論・ジャーナリズムを担当している。著書に『本はニュースだ!』(径書房、1993年)などがある。
東海林智(とうかいりん・さとし) 毎日新聞社会部記者 1964年生まれ。地方部、社会部、『サンデー毎日』、横浜支局などを経て社会部厚生労働省担当。労働、貧困問題を中心に取材している。著書に『貧困の現場』(2008年)、『派遣村――国を動かした六日間――』(2009年)(ともに毎日新聞社)。
西見誠一(にしみ・せいいち) 朝日新聞阪神支局次長 1969年生まれ。福山支局、京都支局を経て大阪社会部で主に教育問題を担当。2008年から現職。共著に『ルポ児童虐待』(朝日新書、2008年)などがある。
大島秀利(おおしま・ひでとし) 毎日新聞編集委員 1986年、毎日新聞入社。支局勤務、科学部(現科学環境部)、特報部、社会部編集委員などを経て大阪本社編集局編集委員。核・原発、労災、環境問題を中心に取材している。アスベスト報道で新聞協会賞。
出河雅彦(いでがわ・まさひこ) 朝日新聞編集委員 産経新聞社を経て1992年に朝日新聞入社。社会部、くらし編集部、科学部で医療、介護問題などを担当し、2002年から現職。医療事故、薬害エイズ事件、介護保険、有料老人ホーム問題などを中心に取材している。
中嶋太一(なかじま・たいち) NHK報道局社会部専任部長 1963年生まれ。報道局社会部で佐川急便事件、オウム真理教事件、北朝鮮拉致などを取材した。ワーキングプアのキャンペーン報道で新聞協会賞を受賞した。
半田滋(はんだ・しげる) 東京新聞編集委員 1955年生まれ。92年から防衛庁(省)を担当。2007年に「新防人考」で第13回平和・協同ジャーナリスト基金賞(大賞)。著書に『「戦地」派遣――変わる自衛隊』(岩波新書、2009年)=日本ジャーナリスト会議賞=などがある。
斎藤義彦(さいとう・よしひこ) 毎日新聞外信部副部長 1965年生まれ。大阪社会部などを経て2003〜07年にベルリン支局記者。著書に『介護保険最前線――日独の介護の現場から――』(ミネルヴァ書房、2000年)、『死は誰のものか――高齢者の安楽死とターミナルケア――』(ミネルヴァ書房、2002年)など。
斉藤潤一(さいとう・じゅんいち) 東海テレビ放送ドキュメンタリーディレクター 1967年生まれ。三重支局を経て愛知県警、愛知県政などを担当。主な作品に「裁判長のお弁当」(ギャラクシー大賞)、「光と影――光市星殺害事件弁護団の三〇〇日――」(日本民間放送連盟賞 最優秀賞)。
千葉光宏 朝日新聞社ジャーナリスト学校 五十嵐浩司 朝日新聞社ジャーナリスト学校前事務局長 大石 裕 慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所所長
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