西欧の盛期ルネサンスとバロックの美術を対象に、様式の発展に注目し、形式分析=フォーマリズムの方法論を打ち立てた名著。美術史の深層をなす視覚の発展史であり、古典となった名著の完全新訳。
序論 第一章 線的なものと絵画的なもの 第二章 平面と深奥 第三章 閉じられた形式と開かれた形式――構築的と非構築的 第四章 多数性と統一性――多数的統一性と単一的統一性 第五章 明瞭性と不明瞭性――無条件の明瞭性と条件つき明瞭性 まとめ
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ハインリヒ・ヴェルフリン(Heinrich Wolfflin) 1864年、スイス・ヴィンタートゥールで生まれる。学生時代(1882−86)は哲学専攻。バーゼル(1893−)、ベルリン(1901−)、ミュンヘン(1912−)、チューリヒ(1924−34)の各大学美術史教授。1945年、チューリヒで没。主著に『ルネサンスとバロック』(1888)、『古典美術』(1899)、『美術史の基礎概念』(1915)、『美術史論考』(1940)、没後に、『ブルクハルトとヴェルフリン往復書簡』(1948)などがある。
海津忠雄(かいづ ただお) 1930年、東京で生まれる。1955年、慶應義塾大学文学部卒業。60年、同大大学院博士課程修了。美学・西洋美術史専攻。1965−66年バーゼル大学に留学。慶應義塾大学名誉教授、東亜大学大学院教授。文学博士。著書として、『ホルバイン 死の舞踏』(新版1991)、『ホルバイン』(1974)、『肖像画のイコノロジー エラスムスの肖像の研究』(1987)、訳書としてガントナー『ロダンとミケランジェロ』などがある。
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