珠玉の作品で辿る生涯 ▼名作《死の舞踏》を育んだ第2の故郷バーゼルをあとに、イギリスに渡ったハンス・ホルバイン。宮廷で美を競う人々の肖像画を描き、大きな賞賛を受けるに至りながらも、病により忽然と世を去ったこの天才画家の決定版評伝。45年の短い生涯に受けたデューラーの精神的影響をも探る、老練な美術史家の新しい取り組み。理解を助ける図版を多数収載。 ▼ホルバインを扱った書籍がほとんど入手できない現在、待望久しい出版である。
序章 ホルバイン登場 1 エラスムスの『痴愚礼讃』の挿絵 2 アンブロージウス・ホルバイン 3 ルツェルン時代のホルバイン 4 ホルバイン父子のガラス絵
T ホルバインの父 1 旅をする画家 2 フランクフルト時代 3 肖像画の問題 4 最後の大作《生命の泉》 5 晩年の父ホルバイン
U ホルバインの技法 1 マイヤー夫妻の肖像 2 ホルバインの聖母祭壇画 3 聖母祭壇画の模作 4 「ホルバ ……
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海津忠雄(かいづ・ただお) 慶應義塾大学名誉教授。文学博士。 1930年生まれ。1955年、慶應義塾大学文学部卒業。60年、同大大学院博士課程修了。美学・西洋美術史専攻。1965-66年バーゼル大学に留学。慶應義塾大学教授、東亜大学大学院教授を歴任。 著訳書に、『デューラーとその故郷』(慶應義塾大学出版会、2006年)、『レンブラントの聖書』(慶應義塾大学出版会、2005年)、ハインリヒ・ヴェルフリン『美術史の基礎概念』(慶應義塾大学出版会、2000年)、『ホルバイン 死の舞踏―新版』(岩崎美術社、1991年)、『肖像画のイコノロジー――エラスムスの肖像の研究』(多賀出版、1987年)、『中世人の知恵――バーゼルの美術から』(新教出版社、1984年)、『愛の庭――キリスト教美術探求』(日本基督教団出版局、1981年)、『レンブラントのイエス伝――素描と銅版画による』(共編、新教出版社、1975年)、『ホルバイン』(岩崎美術社、1974年)などがある。
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