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流れることへの哲学
四六判/並製/264頁
初版年月日:2025/10/25
ISBN:978-4-7664-3068-4
(4-7664-3068-9)
Cコード:C3010
定価 2,970円(本体 2,700円)

流れることへの哲学
存在の花を訪ねて
目次 著者略歴

哲学を学ぶすべての人へ。

中世哲学の研究者が、西洋哲学に入門した時に生じた違和感や、幼少年期の記憶を交えて、「自分はいかなる人間か」を問いつつ構築する、
哲学的な輝きに満ちた〈流れ〉の哲学のための試論
古代ギリシア以来、哲学は不動のものを真実在と見なし、確固不動たるものとしての実体を基礎概念とした。一方、ギリシアのヘラクレイトスは「万物流転」を説き、事物の流動性を語った。
西方の文化においても、流れは無視されてきたわけではない。息はルーフやプネウマとして重要な生命原理、精神原理であった。
本書は、哲学とは徹頭徹尾、具体性の中で展開されるもの、個と普遍が相即するものととらえる。存在論、言語論、倫理学、中動態、時間論、実体論、聖霊論などをめぐって、西洋哲学で主題化されて来なかった〈流れ〉を問う哲学試論。

目次


第一章 桜の花を求めて
 †津軽の桜を求めて  †ゴージャスな桜  †哲学が咲く頃  †存在の偶有性と〈花〉の開花  †岩木山の姿  †〈花〉と存在のエロティシズム
第二章 〈流れ〉を哲学する
 †〈流れ〉ということ  †流れないもの  †水と海と〈流れ〉  †起源としてのアルケー  †〈流れ〉の哲学
第三章 水の流れに囲まれて
 †月山の麓  †谷に吹く風  †沈黙と自然  †自然の言葉とベンヤミン  †嘆き悲しむ自然  †沈黙の響き、森の眼差し
第四章 〈流れ〉とは何か
……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

山内志朗(やまうち しろう)
1957(昭和32)年、山形県生れ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。新潟大学教授、慶應義塾大学文学部教授を経て、慶應義塾大学文学部名誉教授。専門は、中世哲学、倫理学。また、現代思想、修験道など幅広く研究活動を行う。主な著書に、『普遍論争』(平凡社ライブラリー、2008)、『誤読の哲学』(青土社、2013)、『小さな倫理学入門』(慶應義塾大学出版会、2015)、『感じるスコラ哲学』(慶應義塾大学出版会、2016)、『目的なき人生を生きる』(角川新書、2018)、『天使の記号学』(岩波書店、2001、岩波現代文庫、2019)、『ドゥルーズ 内在性の形而上学』(講談社選書メチエle livre、2021)、『わからないまま考える』(文藝春秋、2021)などがある。

定価2,970円 (本体:2,700円)
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