マテリアル・ガールズ
フェミニズムにとって現実はなぜ重要か
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ジェンダーアイデンティティとは何か 混迷をきわめるジェンダー問題を分析し、 平等な社会のための現実的な解決策を提示する
多様な「性」を尊重する社会づくりが世界的に進むなかで、それに合わせた法制度などが整備されつつある。その一方で、複雑化した「ジェンダー概念」への理解が追いつかず、社会的混乱を来してもいる。本書では、生物学的性別よりもジェンダーを優先する、いわゆる「ジェンダーアイデンティティ理論」が生まれた思想的背景を、ボーヴォワール、ジュディス・バトラーなどを振り返りながら丁寧に説明し、「ジェンダーアイデンティティ」とは何かを明らかにする。さらに、女性専用スペース、医療、政治、データ収集など、さまざまな文脈において生物学的性別の重要性を提示することを通して、「誰もが生きやすい社会」の実現に向けた現実的な解決を試みる。
「Newsweek 日本版」 2022年9月26日「「ターフ/TERF」とは何か?...その不快な響きと排他性の歴史」にて本書が紹介されました。 本文はこちら
「LOVE PIECE CLUB」 2022年9月26日「主人なんていませんッ!第122回マテリアル・ガールズ』を読みました!」に本書がマンガで紹介されました。紹介者は大島史子氏(イラストレーター・漫画家)です。 本文はこちら
日本語版への序文
序 章
第1章 ジェンダーアイデンティティの簡潔な歴史 局面1 ボーヴォワールが「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」と言った 局面2 マネーとストーラーが「ジェンダーアイデンティティ」概念を導入した 局面3 アン・ファウスト=スターリングが、生物学的な性別は「連続体」だと主張した 局面4 バトラーが「ジェンダーはパフォーマンスである」と説いた 局面5 ジュリア・セラーノが「ジェンダーアイデンティティが人を ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
キャスリン・ストック (Kathleen Stock)[著] 1972年生まれ。元イギリス・サセックス大学教授。専門は、哲学。オクスフォード大学で哲学の学士号を、セント・アンドリュース大学で修士号、リーズ大学で博士号を取得。専門は、美学、フィクションの哲学。特にジェンダーと性別(セックス)に焦点を当てた研究が注目を集めている。ジェンダーと性別の複雑な問題に対する哲学的研究は、フェミニズムとジェンダー理論の分野で重要な貢献をしている。著書に、Only Imagine: Fiction, Interpretation and Imagination, OUP, 2017 など。
中里見博(なかさとみ・ひろし)[訳] 大阪電気通信大学教授。専門は憲法、ジェンダー法学。主要著作に、『ポルノグラフィと性暴力──新たな法規制を求めて』(明石書店、2007 年)他。翻訳に、キャサリン・マッキノン、アンドレア・ドウォーキン『ポルノグラフィと性差別』(共訳、青木書店、2002 年)、キャサリン・マッキノン『女の生、男の法』上下(共訳、岩波書店、2011 年)。
千田有紀(せんだ・ゆき)[解説] 武蔵大学社会学部教授。専門はジェンダーの社会学、現代社会論、家族社会学、教育社会学。主要著作に、『日本型近代家族──どこから来てどこへ行くのか』(勁草書房、2011 年)、『女性学/男性学』(岩波書店、2009 年)、共著に、千田有紀・中西祐子・青山薫『ジェンダー論をつかむ』(有斐閣、2013 年)、翻訳に、シーラ・ジェフリーズ『美とミソジニー』(共訳、 慶應義塾大学出版会、2022 年)他。
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