化粧、美容整形、脱毛、ハイヒール…… 美しくなろうとするのは「個人の選択」なのか?
女性たちはかつてコルセットや纏足で足腰を変形させたように、今もなお身体に負荷をかけながら美を追求している。健康と引き換えに美しくなることで女性たちが生きやすくなるのなら、この社会は一体どんな社会なのだろうか? 本書は、美容行為(産業から日常的なものまで)を、男性支配と女性の従属を促進させる「有害な文化習慣」としてとらえ、西洋中心的・男性中心的価値観を痛烈に批判する。 韓国・脱コルセット運動の原点にもなった、ラディカルフェミニズムの名著。
月刊「We learn」(ウィラーン)(日本女性学習財団発行) vol.826(2023年2月号)の「ざ・ぶっく」(p.18)に本書が紹介されました。
『図書新聞』 2023年1月1日(第3573号)(10面)に書評が掲載されました。評者は、合場敬子氏(明治学院大学国際学部教授)です。
『LOVE PIECE CLUB』 2022年8月23日「主人なんていませんッ!第87回 『美とミソジニー 』脱コル運動は女の人間宣言!」に本書がマンガで紹介されました。紹介者は大島史子氏(イラストレーター・漫画家)です。 本文はこちら
日本語版序文 新版序文 10年間の変化/フェミニズムと新自由主義/性的客体化とセクシュアライゼーション/ 子どものジェンダー化/フェミニズムの復活
序 章 女性の従属と自傷としての美容行為
第1章 身体を支配する文化――主体性か従属か 美に対するフェミニストの批判/個人的なことは政治的なこと/「新しい」フェミニズム/文化的 転換/性的な「差異/服従」/従属の振る舞いとしての女らしさ ……
著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
【著者】 シーラ・ジェフリーズ(Sheila Jeffreys) イギリス出身のフェミニスト学者。1991 年にオーストラリアに移住、メルボルン大学社会政治学部で教授を務めた。性の政治学、レズビアンフェミニズムなどのテーマについて多数の著作がある。国際的な女性運動にも携わり、オーストラリア女性人身売買反対連合(CATWA)を創設した。2015 年に大学を退職し、イギリスに戻って活発な著述活動をしている。 著書に、Unpacking Queer Politics: A Lesbian Feminist Perspective, 2003; The Industrial Vagina: The Political Economy of the Global Sex Trade, 2009; Gender Hurts: A Feminist Analysis of the Politics of Transgenderism, 2014 など。韓国では本書と、Gender Hurts、The Lesbian Revolution などが訳され反響を呼んでいる。
【訳者】 GCジャパン翻訳グループ
森田成也(もりた せいや) 大学非常勤講師。専門はマルクス経済学。主要著作に、『資本主義と性差別』(青木書店、1997 年)、『家事労働とマルクス剰余価値論』(桜井書店、2014 年)、『マルクス主義、フェミニズム、セックスワーク論』(慶應義塾大学出版会、2021 年)、他多数。主要翻訳に、キャサリン・マッキノン『女の生、男の法』上下(共訳、岩波書店、2011 年)、マルクス&エンゲルス『共産党宣言』(光文社古典新訳文庫、2020 年)、他多数。
キャロライン・ノーマ(Caroline Norma) ロイヤルメルボルン工科(RMIT)大学講師。専門は慰安婦問題と戦後日本の性産業の研究。 主要著作に、The Japanese Comfort Women and Sexual Slavery During the China and Pacific Wars (Bloomsbury USA Academic, 2015); Comfort Women and Post-Occupation Corporate Japan (Routledge, 2018); Voices from the Contemporary Japanese Feminist Movement (co-authoerd, Palgrave Macmillan, 2022)など。
千田有紀(せんだ ゆき) 武蔵大学社会学部教授。専門はジェンダーの社会学、現代社会論、家族社会学、教育社会学。 主要著作に、『日本型近代家族──どこから来てどこへ行くのか』(勁草書房、2011 年)、『女性学/男性学』(岩波書店、2009 年)、共著に、千田有紀・中西祐子・青山薫『ジェンダー論をつかむ』(有斐閣、2013 年)など。
佐藤律(さとう りつ) 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。
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