美とミソジニー
美容行為の政治学

日本語版序文 新版序文 10年間の変化/フェミニズムと新自由主義/性的客体化とセクシュアライゼーション/ 子どものジェンダー化/フェミニズムの復活
序 章 女性の従属と自傷としての美容行為
第1章 身体を支配する文化――主体性か従属か 美に対するフェミニストの批判/個人的なことは政治的なこと/「新しい」フェミニズム/文化的 転換/性的な「差異/服従」/従属の振る舞いとしての女らしさ
第2章 西洋における有害な文化的慣行 国連の規定/「有害な文化的慣行」とは何か/西洋文化は「選択」を提供しているか/化粧と ヴェール──同じか違うのか/西洋の文化帝国主義──輸出される有害な文化的慣行/家 父長制的宗教において女性の頭を覆うことの意味/西洋と非西洋における有害な文化的慣行
第3章 トランスフェミニニティ――男が実践する「女らしさ」の現実 トランスヴェスティズムとトランスセクシュアリズム/オートガイネフィリア/変身業界とその顧 客/保守的なトランスヴェスタイトとその妻たち/マゾヒズムとしてのトランスフェミニニティ/ク ロスドレッサーの保守性/妻への有害な影響/トランスフェミニニティ――ジェンダーの越境、 それとも維持?
第4章 ポルノ化する文化――性産業が構築する「美」 ポルノのノーマライゼーション/ポルノグラフィの経済学/ポルノ化する広告/ロールモデルとし てのマドンナ/ポルノ的な美容行為/女性器の剃毛と脱毛/切り刻まれる女性器──ラビア プラスティ
第5章 ファッションとミソジニー 服装を通じた性差の創出/ファッションのSM化――コルセットとボンデージ/ゲイのファッション デザイナーにおけるミソジニー/ミソジニー的なファッションショー――マックイーン/ヴェルサー チとミュグレー/その他のデザイナーたち/ファッション理論の変貌──批判から賛美へ
第6章 化粧の罠――日常の美容行為に潜むもの 化粧は自然な行為か/化粧の歴史/美の基準に潜む人種差別/職場で強要される化粧/狙 われる子どもたち/文化的に強要される脱毛/化粧とメンタルヘルス/健康に有害な化粧品
第7章 足と靴のフェティシズム――足を不自由にされる女たち 性科学とフェティシズム/中国の纏足/纏足を美化する「フェミニスト」たち/バレエシューズ/ ハイヒールを求める男たち/ハイヒールがもたらす健康被害/非難される女性たち/ヒールの 高い靴の復活
第8章 切り刻まれる女――代理的自傷行為としての美容行為 女性の自傷行為/社会的に奨励される自傷行為──美容整形と豊胸/ポルノが求める豊胸 手術──ロロ・フェラーリ/オルラン──「アート」としての身体損傷/身体改造/自傷行為と 社会的ヒエラルキー
終 章――自傷の文化から抵抗の文化へ
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