マルクス主義、フェミニズム、セックスワーク論
搾取と暴力に抗うために
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いまよみがえる、マルクス主義×フェミニズム
「日常化した女性差別へ抗う理論を必要とする人たちへ。 日本における売買春廃止論(アボリショニズム)の決定版の書!」(藤田孝典)
▼広がった格差の中で女性への差別と暴力を構造的にとらえながら、ネオリベラリズムがもたらした女性搾取のための詭弁「セックスワーク論」を正面から批判し、資本主義と男性支配という現代の二つの支配的な社会システムの悪辣さを白日のもとにさらす。
「本書はきわめて論争的な内容となっている。マルクス主義もフェミニズムも無数の論争を通じて自己を鍛えていった。両者をテーマとする本書が論争的でないわけがない。本書の立場に対立する人々、とりわけセックスワーク論を信奉する人々にとっては、本書は唾棄すべきものでしかないだろう。(中略)多くの敵対的諸関係に引き裂かれたこの社会において、誰かの憎悪と攻撃を受けることなくして、論争的テーマで何か意味のあることを語ることはできない」(「序文」より)
序文
第T部 再生産、平等、性暴力
第一章 マルクス主義フェミニズムと社会的再生産理論 1 フェミニズムの歴史的流れの概観 2 家事労働論争から社会的再生産理論へ 3 社会的再生産理論(SRT)――その意義と限界 おわりに 補遺
第二章 日本国憲法と平等権――フェミニズムから読み解く戦後平等権論争 1 戦後憲法学と平等権 2 憲法一四条一項の意味T――「平等」とは何か 3 憲法一四条一項 ……
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森田 成也(もりた せいや) 1965年生まれ。大学非常勤講師。ポルノ・買春問題研究会メンバー。著作に『資本主義と性差別』(青木書店)、『資本と剰余価値の理論』(作品社)、『家事労働とマルクス剰余価値論』(桜井書店)、『マルクス剰余価値論形成史』(社会評論社)、『「資本論」とロシア革命』『トロツキーと永続革命の政治学』(以上、柘植書房新社)他。訳書に、マルクス『賃労働と資本/賃金・価格・利潤』『資本論第一部草稿──直接的生産過程の諸結果』、マルクス・エンゲルス『共産党宣言』(以上、光文社古典新訳文庫)、キャサリン・マッキノン『女の生、男の法』上下(岩波書店、共訳)、デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義』『〈資本論〉入門』『反乱する都市』『〈資本論〉第2巻・第3巻入門』(以上、作品社、共訳)他多数。
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