マルクス主義、フェミニズム、セックスワーク論
搾取と暴力に抗うために

序文
第T部 再生産、平等、性暴力
第一章 マルクス主義フェミニズムと社会的再生産理論 1 フェミニズムの歴史的流れの概観 2 家事労働論争から社会的再生産理論へ 3 社会的再生産理論(SRT)――その意義と限界 おわりに 補遺
第二章 日本国憲法と平等権――フェミニズムから読み解く戦後平等権論争 1 戦後憲法学と平等権 2 憲法一四条一項の意味T――「平等」とは何か 3 憲法一四条一項の意味U――具体的な条文解釈 4 一四条一項の解釈をめぐる種々の論点T――「立法者拘束説」と「非拘束説」 5 一四条一項の解釈をめぐる種々の論点U――金城清子氏の提起をめぐって 6 一四条一項の解釈をめぐる種々の論点V――平等権は「empty」な権利か? 7 一四条一項の解釈をめぐる種々の論点W――憲法の私人間効力 おわりに――平等論の可能性
第三章 戦時の性暴力、平時の性暴力――「女性に対する暴力」の二〇世紀 はじめに 1 戦時における性暴力と日本軍「慰安婦」問題 2 平時における「女性に対する暴力」T――ドメスティック・バイオレンス 3 平時における「女性に対する暴力」U――レイプ、売買春、ポルノ 4 正当化イデオロギーの構造的相似性 おわりに
第U部 売買春、ポルノ、セックスワーク論
第四章 売買春とセックスワーク論――新しいアボリショニズムをめざして 1 売買春をめぐる世界の状況 2 セックスワーク論とは何か、なぜそれはリベラル派を乗っ取ったか 3 セックスワーク論に対する批判T――人権論からの原理的批判 4 セックスワーク論に対する批判U――その正当化論に対する論理的批判 5 北欧モデルにもとづく新しいアボリショニズムに向けて
第五章 ポルノ被害と新しい法的戦略の可能性 1 「わいせつ/表現」から「差別/実践」へ 2 マッキノン=ドウォーキン条例の五類型から新しい五大分類へ 3 最初のポルノ被害――制作被害 4 ポルノの流通被害 5 ポルノの消費被害 6 ポルノの社会的被害 7 最後のポルノ被害――存在被害 8 新しい法的戦略の可能性 補遺
第六章 マルクス主義と売買春――セックスワーク論はなぜ間違いか T マルクス主義と売買春 1 マルクスとエンゲルス 2 第二インターナショナルの理論家 3 第三インターナショナルの理論家 4 戦後におけるマルクス主義の転換 U セックスワーク論はなぜ間違いか 1 セックスワーク論と全面的非犯罪化論の主張 2 北欧モデルに対するセックスワーク派の批判 3 なぜセックスワーク論と包括的非犯罪化論が世界中に広まったのか あとがき 事項・人名索引
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