マテリアル・ガールズ
フェミニズムにとって現実はなぜ重要か
日本語版への序文
序 章
第1章 ジェンダーアイデンティティの簡潔な歴史 局面1 ボーヴォワールが「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」と言った 局面2 マネーとストーラーが「ジェンダーアイデンティティ」概念を導入した 局面3 アン・ファウスト=スターリングが、生物学的な性別は「連続体」だと主張した 局面4 バトラーが「ジェンダーはパフォーマンスである」と説いた 局面5 ジュリア・セラーノが「ジェンダーアイデンティティが人を女性や男性にする」と言った 局面6 ジョグジャカルタ原則が、ジェンダーアイデンティティを人権として認めることを推奨した 局面7 「ターフ」という概念が発明された 局面8 アイデンティティの爆発的増殖 「ジェンダー」の持つさまざまな意味 議論(ディベート)の擁護
第2章 性別とは何か 性別とは何か 普通、人の染色体が何なのか、外性器がどんな形をしているのかを知らない 性分化が異なる人がいる 性別は社会的に構築されている@ 性別は社会的に構築されているA 性別は社会的に構築されているB 「自然なもの」と「人工的なもの」との対立は存在しない 結 論 第3章 なぜ性別が重要なのか 医 療 スポーツ 性的指向 異性愛の社会的影響 競い合わせるべきではない
第4章 ジェンダーアイデンティティとは何か ジェンダーアイデンティティとトランスでない人びと 「スティック・オブ・ロック」モデル 医療モデル クィア理論モデル 「同一化(アイデンティフィケーション)」モデル 同一化モデルがもたらすそのほかの帰結 第5章 何が人を女性にするのか 概念分析 概念としての〈女性〉の機能 ジェンダーアイデンティティとしての〈女性〉 利益のヒエラルキー? 社会的役割としての〈女性〉 WASを支持する根拠の問題点 WASに対する追加的な反論
第6章 フィクションへの没入 法的フィクション フィクションと現実 没入とは何か フィクションに没入することのメリット 個人レベルでの没入のリスク 制度レベルでの没入のリスク――他人への没入の強制 性別不合な言語がもたらすリスク 私自身の代名詞の使い方 第7章 なぜこんな事態にまで至ったのか ゲイやトランスへの偏見の歴史 トランス活動家のプロパガンダとその効果 客体化と「トランス女性は女性である」の関係 客体化とオートガイネフィリア
第8章 今後のよりよい運動に向けて もっと非二元的(ノンバイナリー)であれ 運動の主題を変えるな よりインターセクショナルに アカデミックな(高踏)理論をより少なく、アカデミックなデータをより多く
謝辞 解説(千田有紀) 訳者あとがき 注 索引
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