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韓国軍事主義の起源

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A5判/上製/512頁
初版年月日:2024/08/30
ISBN:978-4-7664-2976-3
(4-7664-2976-1)
Cコード:C3022
定価 7,920円(本体 7,200円)

韓国軍事主義の起源
青年朴正熙と日本陸軍
目次 著者略歴

満洲国軍官学校で朴正熙は何を血肉化したのか。
韓国近現代史の核心である「軍事主義」と、それを体現する「朴正煕」の満洲時代に迫る、朝鮮史研究の泰斗による集大成。

「私はひたすらに軍人生活の中にのみ人生の哲理を追い求めてきた。」――朴正熙

 1961年から1979年までの朴正熙政権期は、韓国にとって未曾有の経済成長を遂げた時代であると同時に、政治的抑圧が激化する時代でもあった。1961年に5.16クーデターで政権を奪取した朴正熙と彼の仲間たちは、近代化を推し進めるにあたって「軍事主義」を取り入れ、開発独裁を敷いた。
 本書は、19世紀後半の朝鮮王朝末期から第二次世界大戦までの時期を精査するなかで、植民地期の満洲国軍官学校の世界へと足を踏み入れ、韓国近現代史の核心へと迫る。若き朴正熙らが、満洲において日本陸軍の文化と行動様式を徹底的に吸収し、その教育と訓練をやがて統治のひな形にしていく過程を明らかにする。
 日本語や韓国語の膨大な資料のみならず、韓国人、日本人、中国人の元軍校生たちへのインタビュー調査をもとに、朴正熙が体現する「軍事主義」の起源を探る壮大な試み。


【日本版刊行に寄せてエッカート氏からのメッセージ】
現代韓国史を理解するうえで、朴正熙とその軍事政権がもたらした政治経済的変化は決定的に重要である。しかし、さらに重要なことは朴正熙ら軍人が誕生し、社会で台頭し、政権を握るまでに至った歴史自体が、近現代の朝鮮社会の根源的変化を示す重要な指標であるという点である。本書は「軍事主義」をキーワードに、朴正熙らが育った歴史的背景と彼らが受けた満洲国と日本での士官学校教育の意味を、朝鮮近現代史の視座から問い直す。

目次

まえがき――謝辞と資料について
日本語版へのまえがき


序論

第一部 軍事化の歴史的背景

第一章 軍事化の時代――戦争の波
時間軸/グローバルな連環/朝鮮王朝軍/軍事化の第一波/大院君による初期の軍事化/新しい軍事知識の流入/朝士視察団/1880年代の軍事化──高宗主導の国家改革/1894年以後の軍事化/大韓帝国期の軍事化/新軍の創設/軍の拡大と発展──1895〜1904年 

第二章 精神の軍事化――陸軍と民 ……

著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。

カーター・J・エッカート(Carter J. Eckert)[著]
ハーバード大学東アジア言語文明研究科教授。シカゴ生まれ。ハーバード大学で西洋史を学んだ後、1960年代後半〜1970年代に韓国で平和軍として勤務した経験から、韓国史研究を志す。その後シアトルのワシントン大学で博士号を取得。1985年以降、ハーバード大学で韓国近現代史を講じ、同大学の韓国学研究所の設立にも尽力した。著作に『日本帝国の申し子――高敞の金一族と韓国資本主義の植民地起源 1876-1945』(小谷まさ代訳、草思社、2004年)、共著に『朴正熙の時代―韓国の近代化と経済発展』(東京大学出版会、2009年)がある。

松谷基和(まつたに もとかず)[訳]
東北学院大学国際学部教授。1975年福島市生まれ。1998年国際基督教大学卒、(株)三菱商事勤務を経て、2002年東京大学大学院総合文化研究科修了、2003〜2012年ハーバード大学東アジア言語文明研究科で博士号を取得。早稲田大学アジア研究機構助手、東北大学経済学研究科准教授、東北学院大学教養学部准教授を経て現在に至る。専門は、日韓近現代史、東アジアキリスト教史。著作に『植民地朝鮮におけるキリスト教とナショナリズム』(明石書店、2020年)がある。

定価7,920円 (本体:7,200円)
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