韓国軍事主義の起源
青年朴正熙と日本陸軍

まえがき――謝辞と資料について 日本語版へのまえがき
序論
第一部 軍事化の歴史的背景
第一章 軍事化の時代――戦争の波 時間軸/グローバルな連環/朝鮮王朝軍/軍事化の第一波/大院君による初期の軍事化/新しい軍事知識の流入/朝士視察団/1880年代の軍事化──高宗主導の国家改革/1894年以後の軍事化/大韓帝国期の軍事化/新軍の創設/軍の拡大と発展──1895〜1904年
第二章 精神の軍事化――陸軍と民族に関する新思考 兪吉濬(1856〜1914年)/朴泳孝(1861〜1939年)/「武」という価値/朝鮮王朝末期の武徳/併合後への影響と連続性
第三章 場所と人の軍事化―――士官学校と生徒たち 軍事化の第二波と植民地朝鮮の学校/士官学校の歴史/軍事化の第二波と士官学校/満洲国軍/中央陸軍訓練処/満洲国軍官学校/満洲国軍官学校の生徒/軍への愛着/ナショナリズムという問い/軍校生活への楽しみ/将校を目指す男、朴正熙/模範的な生徒、朴正熙/熱狂的な生徒、朴正熙
第二部 士官学校の文化と行動様式
第四章 政治と職分――「殊遇」の身分 場所/外観/言語/身体/娑婆からの隔離/軍の枢軸/侍の英雄との絆/明治維新の後継者/戦勝の歴史の後継者/天皇の股肱/象徴的存在としての天皇/物理的な存在としての天皇
第五章 政治と権力――特異な職分 反逆としての明治維新/脆弱な憲法体制/陸軍と世論の反応/朝鮮王朝後期との共通点/ 1930 年代に受け継がれた朝鮮王朝の伝統/満洲事変の遺産/政治的避難所としての満洲/満洲国における軍官学校位置づけ/陸士での根強い昭和維新支持
第六章 国家と社会――革命、改革、統制 前近代の遺産/資本主義に対する批判/革命――マルクス主義と左翼/日本帝国内のマルクス主義と民族的ナショナリズム/軍校での革命活動/士官学校内マルクス主義研究会/満系内の朝鮮人生徒/改革――昭和維新主義者/資本主義の「悲惨なる壊滅」/革命ではなく「革新」/国家の毒としての資本主義/支配ではなく触媒としてのクーデター/1940 年代の陸士における昭和維新主義/統制――総力戦イデオロギー/陸軍の教義としての総力戦/総力戦と資本主義/軍官学校における総力戦シナジー/原案――基本計画/団結/総力戦の教育
第七章 戦術と精神――必勝の信念 士官学校における攻撃理論/学校での攻撃教育/攻撃の演習/攻撃の指導教官/田原耕三/「攻撃精神」と意志/士官学校における意志の鍛錬──教室内/学校での意志の鍛錬──教室外/士官学校での意志教育──「ズベル」/学校での意志鍛錬──隊舎内/必勝の信念/戦術と精神を体現する剣道/戦争末期の激烈さ
第八章 秩序と規律――服従の喜び 日常生活の秩序と規則/服従とヒエラルキー/階級間の双務的関係性/規則を支える例外/上部からの監視/内部からの監視/自己検閲/懲罰/学校の伝統としての「殴打」
結論 軍官学校の終焉/陸軍士官学校の終焉/新たな始まり
注 訳者あとがき 朝鮮人軍校生一覧 参考文献 索引
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