人はなぜ、裏切られても信じるのか――。
社会秩序の根源にあって、私たちの生活を支える「信頼」。
これまで、哲学、心理学、社会学、経済学で個別に展開されてきた議論を統合し、 ホッブズ、ヒューム、カントらの哲学を手がかりに、 日常的な事例をもとにその謎めいた力を論じつくす。


『文學界』 2025年3月号「特集 いまを生きるための倫理」のブックガイド 長門裕介「『意見のカタログ』以上を求める人のための倫理(学)」 」にて、ご紹介いただきました。
『フィルカル』Vol. 9、 No. 2「自著紹介」に掲載されました。
『週刊読書人』 2024年7月26日号(第3549号)「2024年上半期の収穫から 44人へのアンケート」(5面)にて、本書を橋爪大輝氏(山梨県立大学准教授・哲学・倫理学)に挙げていただきました。

序論 信頼の謎を掘り起こす 第1章 裏切りの誘惑に抗う――認知的信頼 第2章 善意のしるしと、裏切りの痛み――感情的信頼 第3章 制度とともに生きる――制度的信頼 第4章 裏切らない理由を求めて――信頼の多層構造 第5章 不信の力を見きわめる――自由と抵抗の拠点として 結論 信頼と裏切りの哲学 注謝辞参考文献
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1984年生まれ。京都市立芸術大学美術学部専任講師を経て、現在、立命館大学文学部准教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は近世ヨーロッパの哲学のほか、信頼研究、現代倫理学、障害学など。著書に『カント 未成熟な人間のための思想――想像力の哲学』(慶應義塾大学出版会、2019年)、共著に『モラルサイコロジー――心と行動から探る倫理学』(春秋社、2016年)、『信頼を考える――リヴァイアサンから人工知能まで』(勁草書房、2018年)、『メタ倫理学の最前線』(勁草書房、2019年)。
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